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2011/03/27

ペンギンブックスのデザイン 1935-2005

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ペンギンブックスのデザイン 1935-2005
フィル・ベインズ 著 齋藤慎子 訳
P-Vine books 2010 2,800円   256頁
A5判
ISBN9784860203788



原書は2006年当のペンギンから出版されており、
ペンギンブックスのカバーデザインが満載の一冊。



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ペンギンブックスといえばペーパーバックの代名詞。
日本でいえば文庫本にあたる並製本分野の草分け。
洋書店のペーパーバックの棚でカワイイペンギンが
本の背で踊っていればそれがペンギンブックスだ。

外国語に苦手な私はペンギンブックスを読むことは
ないが、すぐ「ペンギンブックス」とわかる外見と、
シリーズで揃えたくなる気持ちにさせるデザインの
一貫性には昔から注目していた。



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しかしこの「ペンギンらしさ」は紆余曲折を経て
たどり着いた結果だ。 苦悩もあり失敗…時として
デザインの実質的空白期間さえ生じた。 幾度もの
危機を迎えては、それを救ったのが創業当時の社是、

「一目見ればペンギンの本であることがわかること」

だった。



これを読んでいて、ふと講談社新書のことが頭に
浮かんだ。 同書はデザイナー杉浦公平氏のもと、
新書の表紙にイラストや内容の要約を入れることで
新書の持つ堅いイメージや意味合いを変え読者層を
広げてきた。それを杉浦氏を替え、理解不明な改悪、
堅いイメージへの回帰としか言えないデザインに
変更したのはなぜか? 今の講談社新書は時代と
状況に翻弄されたデザインの空白期間にあるのか? 

いつの日か講談社新書も復活する日が来るのだろうか?



話はそれたが、本書はペンギンブックスの来歴を、
カバーデザインの流れから読み解いている。 図版も
多く資料的価値も満足度も高い一冊。

コンピューター以前のプロによる手作業のデザインの
切れ味、玄人好みのイカしたが堪能できる。

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