改装本

2017/02/05

リングノートの改装(プロトモデル)

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リングノートの改装。 お題は無印良品のA6ノート。


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リングノートは<開きのよさ>を追求した機能主義的美しさがある。 
だが、剥き出しの構造ゆえの味気なさを感じることもある。

そこで、クロッキー帳の改装に引き続き、一般的なリングノートの改装に着手。 クロッキー帳との違いやリングノートの改装の問題点を考えてみた。


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リングをはずさない上での限界は見返し部分の扱いだろう。
表紙の折り返しと見返しがリング穴の手前で切れてしまう。そのため、オリジナルの黒ボールが見えてしまう(下図)。

ここの完成度を上げるにはリングはずし、付け直しの必要があるため、難易度は高くなってしまう。 


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最大の問題は開いたときの背の出来る隙間。
特にクロッキー帳に比べリングの露出が多いため、接着できない幅が広くなり、これがノートを開ききったときにだらしなくふくらんでしまう。

同じリング構造でもクロッキー帳との作りの違いが明確にでるのがこの部分だ。


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前回のブログでも書いたが、クロッキー帳の表紙は折って曲げ伸ばすことが出来るクラフトボールの表紙が本文をくるむ構造になっている。 そして、表紙を含む本文の厚さ=背幅程度リングが露出している(上図)。

一方一般的なリングノートは表表紙と裏表紙は別パーツとして本文を挟む形式のため、リングは表のリング穴から裏のリング穴まで露出する(下図)。


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そのため、クロッキー帳では接着できないリング部分は背幅のみになるので、開いたときの隙間はさほど気にならない(上図)。

一方一般的なリングノートではリング穴からリング穴までの接着できない部分の幅が大きいため、開いたときの隙間はかなり大きくなってしまう(下図)。

これを解決するにはたとえば背部分を幅広のゴムのような伸び縮みする素材にしてはどうか?とか、一端リングをはずして背部分だけでもクロッキー帳のようにくるむようにしてはどうか?などとかんがえるも今のところ具体的な名案は浮かばず。


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とはいえ、今回作ったノートも使用することには特に問題ないので、じっくりとアイディアでも書き込んで答えを出すことにしよう。


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2017/02/02

リングノートの改装(プロトモデル) その3

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表紙裏の表紙素材の折り返しで出来た段差を地券紙で埋め立てる(写真)。

地券紙の埋め立てはリング穴の手前まで。


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マーブリング模様の表紙に古地図の包装紙を見返しに使ってレトロスタイルに(写真)。


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ハトメでのゴム留め仕様(写真)。


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完成!


 

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2017/01/31

リングノートの改装(プロトモデル) その2

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背の表紙をつける。

背幅はリングが露出している部分の外周とする(上・中図)。

接着剤の付かない背部分は同じ素材で裏打ち(下図)。


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平部分は布のため端の糸ほつれ防止で2ミリほど背素材をオーバーラップさせる。  

重なり位置はマスキングテープで示す(写真)。


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背素材側にボンドを塗ってマスキングのラインに合わせ接着(写真)。


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表紙裏に厚紙を挟み、リングをよけてしばしプレス(写真)。

続く


 

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2017/01/27

リングノートの改装(プロトモデル) その1

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クロッキー帳に引き続き、一般的なリングノートの表装の試作にとりかかる。


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クロッキー帳と一般的なリングノートの違いは綴じ素材のリングの露出具合。  

クロッキー帳はクラフトボール(板紙)が用紙全体をくるむように巻かれ、リングの露出は円周の1/3程度(上図)。

背から見るとリングは背幅内に収まっているため、表紙素材の平部分は全面を接着することになる。 

一方一般的なリングノートは本文がこれより若干大きめの表・裏二枚の表紙に挟まれた束がリングで留められており、クロッキー帳とは逆にリングが2/3程度露出している(下図)。

そのため、表紙の平部分のリングを通す穴から背方向はリングがあるため接着できない。

この構造的な問題がどの程度使用にマイナスの影響が出るかが検証のポイント。


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四半装にするため、表紙素材の切り返し位置をマーク(上図)。

今回は平部分を布、背部分をスキバルテックスで仕上げるので、最初に布を断裁(中・下図)。


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切り返し位置を印したラインの数ミリ手前までボンドを塗る(上図)。

切り返し位置までのボンドの塗り残しを布側で補填(中図)。

切り返し位置に合わせて布を貼り込みあて紙をしてヘラで密着(下図)。


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折り返し部分を残して布の余分を切り落とし、折り返し接着(写真)。

つづく。

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2017/01/23

クロッキー帳の改装 リングノートver.

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リング式クロッキー帳の改装。

リング式ノートは金属やプラスチックのリングで穴の空いた紙を綴じたノートだ。各用紙がお互いに調節連結していないので開きが良いのが特長。 

改装についてはその構造(リング)自体を改変するのは難しいため、どちらかとどちらかと言うとブックカバー的な方向の表装になる。

出来るだけブックカバーっぽくない一体感のあるデザインを心がけた。


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背布と平の紙(スキバルテックス)を切り返した「四半装」仕立て。

変わりストライプの布を横に使い、太めの赤いストライプと同色の平の紙の色を合わせ、飛行機のフラップのような可動する雰囲気を出した。


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リングで綴じられた表紙を利用することになるので、上から見たときの背部分がだらしなくならないようにした。


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見開きを180度開くことに全く問題なし。


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ただ、クロッキー帳として考えた場合、折り返すように360度開いた場合、背の布が若干ストレスになるところが問題か?

もっとも、使っていく中で背の布に折り目のくせがつけば気にならない程度になるだろう。


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当たり前のことだがガラッと印象もかわり、同じクロッキー帳を使っている人との差別化もはかれ愛着がわきそうだ。

いま、無印良品のリングノートを使っているので、今度こちらも同じように改装してみようと思う。

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2017/01/19

クロッキー帳の改装  その2

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平部分に表紙素材の紙を継ぐ。
背から回り込んだ素材が布地のため、ほつれ防止に5ミリ弱紙素材を重ねる。 ボンドがはみ出して布地を汚さないようにマスキングテープで保護(上図)。

布地に重なる部分をよけて表紙にボンドを塗り、布地に重なる部分は紙裏にボンドをつける(中図)。

マスキングテープをガイドに紙を貼り込む(下図)。

表面からヘラを使ってしっかり密着させる。


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表紙素材の紙は折り返し分を残して切りとり、四隅を斜めにトリミングしてから折り返す(写真)。


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表紙裏は表紙に使ったものと同じ紙で埋め立てる(上図)。

おおよその形を切り出して、現場あわせで必要な形を切り出す(中図)。

切り出した形は左右(ノド側か小口側か)を間違えないように鉛筆で印をつけておくとよい(下図)。


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見返し貼りの場合は折り返した表紙の上から紙を重ねるため、0コンマ数ミリずれてもそれほど気にすることは無い。 事前に見返し紙を糊で紙が伸びる分を切り詰めた上で見返し紙側に糊をつけ、表紙裏に貼り合わせる。

しかし、今回のようにピタッとズレや隙間なく埋め立てる紙を収める場合は紙の伸びを極力抑える必要がある。 そのため、表紙裏側の大部分に糊を塗り、埋め立てる紙の方は紙のキワ1センチほどのみつけるようにする。

こうすることで、埋め立て側の紙の伸びが抑えられピタリと形を合わせることが可能になる。


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ほぼ毛抜き合わせ状態で裏の埋め立てが出来た(上図)。

リングノートで凸凹が多いので、手機械でプレスするのではなく、重めの美術書を積み上げて挟む。  

一晩乾燥させて完成。


 

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2017/01/17

クロッキー帳の改装  その1

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リング式のクロッキー帳の表紙を改装する。

リング式のノートはパンチされた紙を金属のリングで綴じたものだが、基本的に一枚一枚の紙はバラバラなので、開きは抜群に良い。 

それもあってノートやクロッキー帳、スケッチブックなどによく使われている。

が、これを改装しようというと簡単にリングが外せないため難しい。

今回はリングを外さず、表紙もそのまま利用することで簡易的な改装をしてみる。

仕様は最近のマイブーム「四半装」っぽく。 背のリング部分をくるむように仕立てる。 とりあえず作戦を練る(下図)。


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アイディアスケッチ(作戦)を元に各所のサイズを測る(上図)。

背の幅は紙帯を巻いて測る(下図)。


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背にまわす素材に計測した寸法をうつす(写真)。

今回の改装ではこの背部分が最も重要なパートになる。


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寸法出しした背素材を形に合わせて切り出す。

背部部分の折り返し位置にスクリューポンチで丸穴を開けているのは、糸ほつれ防止、裂け防止のため(中・下図)。


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背部分の耳を内側に折り返して貼る(上図)。

天と地の折り返しの間を背幅で同じ布を使って埋め立てる(下図)。


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クロッキー帳に背布を貼り込む。

表紙裏に貼り込み位置を印しておき、背の位置がずれないように接着(上・中図)。

折り返しを貼り込む(下図)。


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このようにリング部をくるむようにして背表紙素材が取り付けられる。

スクリューポンチの穴が丁度クロッキー帳の角に当たるようになっている。 この部分が丸穴ではなく角になっていると開け閉めを繰り返したり何かに引っ掛けたりすると糸がほつれたり裂けやすくなる。

つづく。


 

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2016/07/07

文庫本の改装  阿刀田高 知っていますか宗教3部作編

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宗教に起因する事件が後を絶たない。

いかなる理由があっても信仰の違いや有無をもって無差別にテロを企てることは許されることではない。

しかし、なぜ自分の命をひきかえてまでそうした極端な行動に出るのか、それについて全く知識のない自分に気づく。

たまたま新聞にこの阿刀田高の宗教3部作の書評が載っており、赤子同然の知識しかない自分にも旧約聖書(ユダヤ教)・コーラン(イスラム教)・新約聖書(キリスト教)の違いの一端でも解ればと読み出した。

読み物として、退屈にならぬよう誇張された表現や比喩などが織り交ぜられすらすらっと読み進めることが出来る。

だが、長い歴史を積み重ねてきた思想をたった3冊の本でで理解出来るわけもないが、たとえば何の基礎知識もなく旧約・新約聖書やコーランを読むよりは理解は深まるだろう。 

この先も折りをみて読むこともあるかと思い、改装することにした。


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角背上製仕上げ。
見返しは貼り見返し。オリジナルのジャケットは表紙のみ本文に綴じ込む。


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表紙はざっくりした生成り麻生地にスキバルテックスの帯をレイアウトし、ワンポイントをあしらう。


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無線とじのため、そもそも並製本の状態でも開きはさほど良くないため、改装してもそこは変わらず。

やはり開きに関しては糸綴じ本にはかなわない。


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こうして上製本に改装すると本としての存在感違ってくる。
中味にありものを使って表紙のみを替える改装本は比較的簡単にオリジナリティーのあるものをつくることができる。 

製本入門としてはうってつけのテーマと思う。


 

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2016/06/29

FLAT HOUSE LIFE ペーパーバックの改装 

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図書館放出のリサイクル本。
書き込みがあったり、汚れがあったり、水濡れがあったりと完本ではないものが多いが、気に入った本があれば改装の対象としてはとても良いと思う。

この本は小口にコーヒー染みがひろがっていた。若干中にまで到達している部分もあったが、カッターで数ミリ小口断ちすることで気にならくなった。

天小口には<リサイクル>の文字がスタンプされていたが、これはあえて削らず残しておくこととした。


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背をスキバルテックス、平をプリント木綿の生地で切り返した継ぎ表紙。


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継いだ部分に段差が出来ぬように表紙ボールの接合部分を切り欠き仕上げる。
こうしたところにしっかり手をかけられるところがワンオフの良さ。


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元は無線とじの並製本なので、その軽さを若干意識しチリは1ミリ程度と通常のチリよりも少なめとした。


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不定型な四角形のプリント生地とイミテーションレザーのスキバルテックスの組み合わせはレトロスタイル+ポップな米軍ハウスを感じさせる仕上がりとなった。

改装本の楽しさの一つはこうした素材との出会いの楽しさでもある。


 

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2016/06/24

ペーパーバックの改装 FLAT HOUSE LIFE その2

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表紙の作成。

今回使う布は本全体をくるむには幅が足りなかったので、背表紙をくるむ表紙素材を平ボールで切り返す「背継ぎ表紙」にした。

最近はあまりみることのなくなった表装だが、古書店などをまわっていると昔はそれほど高価でない本も背継ぎ本がある。

市販の場合数をこなすため大体は片方の表紙素材にもう一方を数ミリ重ねて継ぐ場合が多い。 が、この場合どうしても重なっている感が強い。

一点ものなので、このあたりはこだわって段差が目立たないように作りたいところ。

私の場合、

1.切り返しの部分にカッターで重なる素材の厚みくらいの切り込みを入れる。

2.その切り込みに沿ってヘラを押し込みミゾつける。

3.一方の素材(どちらかの素材が布の場合布をさきにする)をそのミゾに押し込む。

4.もう一方の素材をかぶせる。

というように作る。 重なる部分の幅は1ミリ程度ヘラでつけたミゾに落とし込むのがポイント。


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今回は平部分が布なので、こちらを先にはり、上から背継ぎの紙素材を貼り込む(写真)。


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折り返し部分を残し余分を切りとり、折り返しを貼る(上図)。

本文の背に寒冷紗を貼る(中図)。

寒冷紗の上からクラフト紙でクータをつける(下図)。


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背に濃いボンドをつけ、表紙に固定(上図)。

背のボンドが乾いたら、ミゾ部分を固定。

今回は背継ぎの素材としてビニールコーティングされたスキバルテックスを使っているので、熱しないイチョウ鏝でミゾをつけ、ミゾ付け板に挟んで型をつけた(中・下図)。


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ミゾが乾燥したら、見返し糊入れし、吸湿用の水彩紙をはさんでプレスして完成。


 

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