旧作

2011/10/01

12 project 旧作

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これは三年前に,まだ製本倶楽部が活動する前,4人の仲間で企画した製本プロジェクトだ。

企画の内容を説明すると,4人がそれぞれ,テーマを決めて12枚の写真を撮る。

出来た写真をそれぞれが受け取り,4×12枚の写真を使った本を,各人が自由に解釈して製本する,というものだ。

つまり,同じ48枚の写真を使った4種類の製本作品が出来あがると言うことになる。

残念ながら,他の人が作った作品が見つからず,今回は残っている,私が作った作品のみの紹介となる。

他の人の作品は,すべての写真を一冊にまとめたものだったが,私は4人の写真から受けるイメージや印象的な場面から,「月」「光」「影」「樹」というタイトルをつけ,4冊の一折り中綴じ本として仕上げた。


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他の三冊は,それぞれの人にプレゼントしてしまったので,自分の写真「樹」だけだ。

私は12種類の樹(木)の写真を選んだ。

ブルーノ・ムナーリの「木をかこう」という本がある。それぞれの木の持つ特徴を見つけることで,簡単に木が描けるということが書かれている。当たり前のことではあるが,ものの見方を分かりやすく説いたとても良い本だ。

この本をもとに,実際にあるいろいろな樹がどのように出来ているかをイラストとともに実証しようという内容にした。


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1冊12枚の写真しかないので,扉・中扉・奥付でページを稼ぐ。


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中身はこのようなもの。それぞれの木の枝が,どのように(一本の幹から何本ずつ枝が分かれるか,枝の向きは上に伸びるか下か,放射状かなど)伸びていくかを検証し,そのルールに従って樹のイラストを描いていく。

確かに,見えてくるルール通りに線を分岐させながら描いていくと,ケヤキはケヤキに,桜は桜に,松は松に見えてくる。当たり前だが。


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4冊はProject 12ということで,スクリューポンチにて12のドット文字を開けたスリップケースに入れて保管してある。

さて,地震から数週間経った3月末から,毎日更新し続けた本ブログですが,半年経った今,更新スピードを緩めて基本的に週1回更新にします。

 

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2011/09/11

MAPBOOK

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地図用の本。

あまりノートを持ち歩く癖がなかったのだが,自分で本を作るようになって,本,というより手帳の便利さ最近になって少しだけ分かるようになった。結構重宝するのが,買い物に行くときに書く買い物リストや店までのルートマップを印しておくこと。

ルートマップだから,だいたいは最寄りの駅から目的地までを描くことになるのだが,出かける場合せっかくなので,その近所に面白い店はないか探してこれに書き込む。

これは個人的な癖なのかもしれないが,そのような地図を書くと,だいたいほそ長い地図になることが多い。そのため,よく手帳の中に収まらず,書き直したり,継ぎ足したりしていたが,いっそのことはじめからほそ長いノートを作れば良いと思い立って作ったもの。


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ビニールコーティングされたイミテーションレザー柄の表紙素材を背と平で切り替えてある。この紙は,知人からの頂き物だが,存在感があり面白い素材だ。少々厚手のため,取り扱いは普通の紙に比べ気を遣うが,その分耐久性は良い。


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サイズが縦185ミリ横65ミリ厚さ12ミリ程度のため,表紙素材の堅さはあるが,本文はのど元までよく開く。


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さて,地図手帳としての評価は…, まだ使用していないので分かりません。


 

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2011/06/27

number mini notebook

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薄表紙の二折りノート。色数が豊富なマーメード紙を表紙と見返しに使う。

薄手の地券紙へマーメードを貼り,スクリューポンチを使ってデジタル書体の数字を打ち抜く。裏に見返紙を貼ることで表紙の文字が見えるというギミック。


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本文紙は薄手の美濃紙にカラーパラフィン紙を折り込む。


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スクリューポンチによる穴あけは,気持ちいい程きれいに仕上がる。


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見えないところでは,背が角張らないように表紙地券紙の背の部分に細かくスリット状のミゾをヘラでつけ,細い棒に巻き付けながら癖をつけたところがポイント。


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地券紙で作った簡単スリップケースにいれ保管している。

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2011/06/20

和紙を使った豆本

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最近は新しく導入したコンピューターのおかげで,使い慣れたソフトのバージョンアップを余儀なくされ,その機能を覚えるのに四苦八苦。 このブログのテーマ「手を動かす」時間がなかなか取れず,旧作に頼りがちだ。

しかし,昔手がけたものを振り返ると,本を作ることに興味を持った頃の「妙な」ガンバリぶりが面白かったりする。


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クマ氏がお土産でくれた和紙の切り落としがお題。 長辺が長いが,幸い短辺に平行して紙の目が通っていたため,二枚の紙を重ねたまま半分の半分つまり四つ折りすることで一折丁とした。これを10折丁。

一辺が3センチ程なので,背綴じひも一本で本かがりし,背固め。紙を四つ折りしているため,一部小口に袋が出来るため,小口の断裁をした。

その後,丸みを出し,栞ひも,花切れつけを経て,表紙のくるみ,と丸背本の一連の作業で作った。

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今回のポイントは表紙に使った布。マスキングテープで文字通りマスクし,顔料と布用のバインダーを混ぜたもので染める。和紙がを使っているので,和っぽい感じで。


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こんな風にパーツを切ったり,そのままマスキングを貼って塗る場所のこす場所を分けていく。ストライプの場合,マスキングをはがす順番や色を付ける回数をかえることで,色が変わる。

この時は直線主体の幾何的模様だが,大判のマスキングシートを使えばもっと込み入った模様も作ることが出来る。

これまた深みにはまると抜けられない危うさを感じる。 


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35ミリ角ほどの大きさだが,細軸の筆ペンで歌など詠むのも風流かもしれない。

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2011/06/11

自作の醍醐味

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小学2年生になるとかけ算の九九が始まる。 今週は二の段、来週は三の段と毎日繰り返し繰り返しプリントをこなすことで、基礎を身につける。

致し方ないことだが、身につけるために消費されたプリントの束は結構な量になる。 九九だけではない、漢字や他の科目のプリントやテストもある。

子供が一生懸命に取り組んだものだから、持ち帰るなりゴミ箱行きというのもはばかられる。 


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そこで、丸背糸かがり本に仕立ててみた。 A4サイズの両面プリントだったので、四枚一組を二つ折りにして16ページを一折りとする。 これを12折り、192ページの計算プリントの本だ。

2センチ厚の表紙ボール紙の一部に一ミリの深さで丸いかたちをはぎ取っておき、本が完成後、同じ大きさの丸い革にホットペンでタイトルを箔押ししたものを貼付ける。

革をはめ込む位置と、ホットペンの文字担当は子供自身が担当。


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野獣派を思わせる文字は圧巻。 本来なら捨てられてしまいがちなアイテムだが、このような形であれば、残しておく気持ちになれる。 何十年か先開いてみたら、この本はどのような存在になっているのだろうか?


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自分で製本出来るようになったおかげで、今を未来に届けることが出来るようになった。 とても贅沢なことだと思う。

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2011/06/10

革装豆本

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豆本の良いところは素材が少なくてよいところ。本の革の切れっぱしでも本物の革装本を作ることが出来る。 

町を散歩していると、裏通りに小さな革靴や、カバンの製作所に出くわすことがある。そういうところの店頭には面白い端革がある場合が多い。当然靴やカバンのパーツをとった残りだから、大きなサイズではない。しかし、豆本クラスなら十分な量だ。

また、豆本に使えなくとも、留め具などのパーツを作るのに使えたり、パッチワークの素材に使えたりと利用価値が高い。何より、面白いテクスチャーの素材が多いのが魅力だ。


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いろいろな表層の模様があるが、だいたいは牛革を加工したものが多い。


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これもトカゲ風?それに地割れ模様。ボタンやらアクセサリーパーツを取り付けるのも楽しい。


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なんちゃってオーストリッチ革にこれは何でしょうか?


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こんなのやあんなのや、色々そこらにあるものをくっ付けて作るのが楽しい。 小さくても中身本かがりの丸背や角背本。ちゃんと使えるところがミソ。

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2011/06/02

Long Stitch Note ・ロングステッチノート

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本作りのきっかけは、豆本を作ったことから始まる。
豆本*は英語で " Miniature Book " と言うそうだが、
私はこの「ミニチュア」な世界に目がない。

ミニチュアにもいろいろなカテゴリーがあるが、私の
場合ベクトルの向きは、なんと言ってもリアル系。
限りなく現実が縮小されたものに興味がある。

豆本はただ小さいだけではない、機能をも兼ね備えた
リアル系ミニュチュアなのだから、興味の対象として
はど真ん中だ。

順当に角背本や丸背本を作っていたのだが、リアル系
ミニチュア道の壷「構造がむき出しのもの」へ食指が
動くようになる。 そんなときロングステッチという
かがりを知り、作ってみたのがこのシリーズだ。



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ロングステッチとは折丁を一折りずつ表紙素材に綴じ
つけていく露出縫製の一種。

ロングステッチの「ロング」というのは、かがりの縫
いしろの間隔が「長い」ことを意味すると思われるが、
この間隔自体は、折丁と表紙にあける穴の数(間隔)
によって長くも短くも出来るので、もしかしたら全く
違う由来に基づく名称なのかもしれない。



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表紙は紙でも革でも、ある程度張りがあって開いたり
閉じ(曲げ)たり出来る素材ならば何でもよい。

豆本ならば素材の量も大して必要ないので、端革の詰
め合わせで十分楽しめる。 かがり方や留め具などに
手をかけてやるだけで様々な表情を楽しめる。



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開きがいいのも露出縫製ならではの特徴。



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糊も使わないため、待ち時間が少ないのもこの製本
の利点だ。





豆本*= 手のひら程の大きさの本をいう。 おおよそ1センチから8センチ程度が豆本の部類に入る。 豆本より小さいものは「マイクロブック」、豆本より大きい本を「スモールブック」と呼ぶ。

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2011/05/30

一折り中綴じノート

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旧作から。一折り中綴じノート。



一折り中綴じとは、紙を数枚重ねて半分に折った
「折丁」をひと折りだけ使い、のど元で綴じる製
本。文具店で売られる学習ノートや大学ノートは
はまさにこれにあたる。

一折りとはいえ、きちんと寒冷紗で保護し、糸で
かがるので、強度は十分。 また、折丁の一番外
側になるところへ2枚、別紙を加えれば見返し付
きにもなり、結構贅沢な仕様になる。



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海外の雑誌を処分する際、パラパラっとページを
めくっていると結構カワイイデザインがあったの
どうせ捨てるなら、と表紙素材にすることにした。



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ただ、海外雑誌の常で紙が非常に薄く、すこしこ
するだけでも印刷がはげ落ちてしまうため、極薄
フィルムでコーティングした。

また、革ひもでグルグルっと巻き付ける仕様に。

消えもの*のノートに手をかけてやることこそ製本
の醍醐味?



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随分人にあげてしまい、今はこのくらいしか残っ
ていないが、30冊程つくったか。同じものを数
多く作ることは技術向上の近道でもある。





*消えもの=舞台・演劇用語。飲み物や食べ物といった舞台で出演者などが使ってしまうとなくなってしまうものを指す。転じて、使うと捨てられるもののこと。 

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