自作ツール

2017/09/05

ミニバッケ板をつくる

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これまで豆本の丸背をつくるときにも大仰に手機械とB5サイズのバッケ板を利用していた。 もちろんこれで十分事足りるのだが、見た目のバランスがいかにも悪い。

そこでもっと気軽に使える豆本用のバッケ板をつくることとした。

バッケ板は <backing plate> の略語で「受け板」というような意味だろうか。

<backing plate> の訳からは離れるが、日本では「山出し締め板」の名で売っているところもある。 この方がこの板の役割が直感的に理解出来る。 


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8センチ角で1.2ミリ厚の真鍮板を糸鋸で半分に切り(上図)、

バイスに挟んで金工ヤスリで断面を斜めに削る(中図)。

ヤスリで削った凹凸ムラを砥石で均一にならす(下図)。


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真鍮板だけでは強度に問題があるので、板で補強。 見た目もいわゆるバッケ板に近くなる。

耳出しをしやすくするため真鍮板が出る側の板を木工ヤスリで斜めに削る(写真)。


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木部と真鍮とはネジ止めをしたいところだが、さすがに1.2ミリ厚だとネジの皿部分が収まらないので万能ボンドで接着(上図)。

ボンドが硬化するまで圧着し、完成!!(下図)。


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B5判バッケ板との比較(上図)。

側面(中図)。

ミニかわいい(下図)。


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木工バイスに丁度良い(上図)。

クランプにも対応しそう(下図)。


 

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2016/01/27

角切りガイド

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本の表紙を作る際、ボール紙のオモテに表紙素材を貼り、各辺に設けた余分をウラに巻き込んで接着する。

巻き込む際、ボール紙の四隅は縦と横の余分が重なりあってしまうため、これを解消するために表紙素材を角から数ミリ(表紙の厚みにもよるが2ミリ厚のボール紙で焼くミリほど)離して斜め45°に切り落とす。

もちろんそれほど神経質な問題ではないので、目測で切り落としても構わない。しかし、ジグを使うことですべての角が同じように切り落とすことで折り返しの形状が均一にる。ちょっとしたことだが、一度使うと手放せない道具がこの「(自称)角きりガイド」だ。

最初にコンピューターで形を決める(写真)。

今回は今まで使っていたものより小型に設計。


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プリントアウトした図のウラに弱粘スプレー糊を吹きかけ、2ミリの黄ボールに貼り込む(上・中図)。

切断面が出来るだけ直角に近づくよう、いきなりガイドになる線で切り落とすのではなく、2-3ミリ余裕を持って荒き切りする(下図)。

その後、ガイドに沿って余分を切り落とす


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切ったガイド付きパーツにボンドを2-3カ所点付けし、もう一枚の2ミリボール紙に仮留めしていく(上図)。

これも、ザックリ荒切り(中・下図)。


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荒切りした部材は仮留めしたパーツをガイドのボール紙にあわせて切断。

いくら正確に図面に合わせて切っても手作業ではズレが生じるため、このように仮留めして一つ一つそれぞれのパーツに合わせて作った方が綺麗に出来る(写真)。


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仮留めしたパーツを一度はずし、表紙ボールにハメ合わせる部分の切り欠く(上図)。

これも、いきなりガイド線に合わせて切るのではなく、ガイド数ミリ内側を切りとってから化粧断ちすると垂直断面が得やすい(中図)。

ここで、もう一枚のパーツと合わせ、確認窓をあけるための位置を目打ちで印す(下図)。


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確認窓を開ける(上図)。

こうした切り抜きを綺麗に開けるのは意外にむずかしい。

確認窓を開け終えたら定木に合わせてふたつのパーツを貼り合わせ、完成(中・下図)。


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初代角きりガイドとの比較(上図)。
およそ1/3ほどの面積になった。 形状は表紙ボールに接地する面積を増やすため、ダイヤモンド型に変更。

確認窓付きと確認窓のないバーション(中図)。

作る上で確認窓をつけなければ圧倒的に難易度が下がるが、確認窓があるとピッタリ角に合っているのが目視できるのがうれしい(下図)。

これも自作ジグの楽しみと言える。


 

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2013/03/19

かがり台用テープ止め(テープ綴じ用)

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久しぶりに渋谷の東急ハンズへいき、製本関連グッズを購入。

左から。一ミリ厚の真鍮板は、かがり台に使うテープ綴じ用の金具「テープキー」の素材。糸のこ盤で加工するため、真鍮用の糸鋸刃も準備。

つづいて「線コキ」。この名前は調べて知ったのだが、ベルトの留め具。これも、かがり台にテープを止めるために使う。

最後に平目打ち。予定では革用の平目打ちを購入し、それを薄くして刃先を研いで使おうと思っていたのだが、良さそうな made in japan 職人手づくりの薄刃があったのでそれを購入。結構切れ味がよく大満足。長野県からやってきたそうだ。


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早速、線コキを使ったテープ止めを作る。

革を2センチ幅の帯状に切る。


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線コキにぐるりと通してマスキングテープで留める。

マスキングテープの位置が丁度縫いしろになるように調整。


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三ツ目の菱目打ちで穴あけ。


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縫う。

出来上がり。


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こんな感じで使います。

簡単な割に結構丈夫。


 

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2011/08/30

等間隔器

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角や線の等分は計算で求めようとすると大変だ。

割り切れる数ならよいが,実際に作業をするとそのような「ラッキー」はまれにしかない。

そもそも「数」は人間が決めた概念なので,綺麗に割り切れる数にならなといって,等分の世界が曖昧になるわけではない。

だいたい計算自体あまり好きではないので,等分に限らず,サイズ出し,平行,相似などは「物理的」に解決するようにしている。

定規の目盛りを見る回数が減るほど誤差が少なくなるからだ。


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これは自作の「等間隔器(自称)」。なんてことはない,始まりと終わりが違う長さで等間隔の位置が印されており,対応する始まりと終わりが結んだラインにミゾを切ったプラバンだ。

この等間隔器(自称)の場合,外形の斜辺と垂直線を目的の幅に合わせることで,間を二等分または四等分出来る。また,垂直線と斜辺から一つ目のミゾに目的の幅を合わせることで,間を三等分できる。


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実際の利用風景。目引き穴を開ける場合。

天と地側に近い目引きラインを設定する(上図)。

そのラインに等間隔器(自称)の垂直線を天地側一方の目引きラインにあわせ,もう一方を斜辺から一つ目のスリットにあわせ,その間にある二つのスリットを通して鉛筆で印をつける(中図)。

印にスコヤをあて目引き線を引けば定規いらずで四本目引き(三等分)が簡単にできる。


 

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2011/07/02

bevel guide  〜斜角ガイド,あるいは,隅切りガイド

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これは2ミリのボール紙を二枚重ねた自作ツール。誰でも簡単に作れるし,とても便利。何に使うかというと…


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ボール紙を表紙素材でくるむ時,縦横の折り返し部分が重なる四隅がすっきりと仕上がるよう,写真の様に45度の角度で切り落とす。これを隅切り(角きり=すみきり)という。

それほどシビアに考えなければ,ハサミやカッターを使って目分量で切り落とせば良い。しかし,重なった部分の面積や角度などが微妙に違ってくると気になるものだ。

そこで,簡単に手早く同じように隅切りできるよう作ったのがこのガイド。 


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使い方は至って簡単。表紙ボールの上にかぶせて(上図)。

確認窓から,ぴたりと角を合わせる(中図)。

そしてカッターで切り落とす(下図)。


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実際にはこんな感じで押さえて,シュっと切るだけ。至って簡単。


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ほんとうはボール紙を二枚重ねなくても,上の写真で言うと逆「く」の字(ブーメラン型)の部分だけでいいのだが,頂点部分の幅が4ミリ程度しかないので,二枚重ねで強度を出している。

本当は透明アクリルで作るのがいいのだけれど,コストパフォーマンスに欠けるので,とりあえずはボール紙製。しかし,作業効率がグッと高くなる一品だ。


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2011/06/25

フィセルほぐし

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「本かがり」と呼ばれる綴じ方は重ねた折丁に対して垂直に「背綴じひも」やテープを渡し,それを抱き込むようにして折丁同士を綴じていく。

この背綴じひもを「フィセル( Ficelle)」と呼ぶ。フィセルは最終的に見返しや表紙に糊で貼付けられるが,そのままでは紐としての”太さ”が邪魔になる。

そこで,貼付ける前に紐のねじられた「ヨリ」を取って,ほぐすし厚みを少なくする。


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最初は「手製本を楽しむ」に書いてあった通り目打ちを使ってほぐしていたが,何冊かまとめてほぐすとなると,結構面倒な作業になる。

目打ち一本でほぐすから大変なのだから…,と考案したのが自称フィセルほぐしだ。

たいそうな名前だが何のことはない。針を数本まとめてハンダ付けし,木の軸に挟んだだけのものだ。写真では上のものが初号機。下が弐号機。

初号機では針の出が少なく,豆本などでは手元が見えにくくなるため,弐号機では針の出を長くしたのだが,結果的には初号機の方が力がかかりやすく,紐がほどきやすいようだ。


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こんな感じで,紐の先端からほぐし,段々根元へとほぐす範囲を広げていく。


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近くから見るとこのような具合。簡単な構造ながらとても便利にしている。


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便利グッズの開発に喜んでいたら,西洋製本図鑑にフィセルをほぐす一式が出ていた(西洋製本図鑑 雄松堂出版 23ページより)。真鍮板に開けられた切り込みにフィセルを通して金ブラシでほぐすらしい。


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金ブラシは多分このようなものではなかろうか。ちなみにこれは金工ヤスリの削りカスとり。


 

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2011/06/09

Marbling Combs  櫛 

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先日購入した田中直のマーブリングセットの具合を試すため、道具を作る。

マーブリングは比重の大きな液体に浮かせた比重の軽い絵の具を、息を吹きかけたり、櫛などで動かすことで模様を作り、紙に写し取る技法だ。 確か小学生の頃、図工の時間に経験した覚えがある。

だが、トルコが起源とも、中国が起源とも、はたまた日本が起源とも言われるマーブリングは1000年以上前に生まれた歴史ある技術。 それなりのマーブリング作品は息をのむような美しさだ。

専門家が作るため息が出るような、とまではとてもいくまいが、今回は少し細かな模様に挑戦するため、専用の櫛を作ることにした。


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以前同じような構造の櫛を竹串で作ったのだが、竹串では太すぎたらしく、繊細な模様が出来なかった。その反省点をふまえ、今回は針を使用した。

まずコンパスで針を植えるラインを描く(上図)。

次にラインに沿って針を植えるピッチ(1センチ)をディバイダーで分割する(中図)。

ルーターで0.5ミリのドリル刃で穴をあける(下図)。


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植える針。 結構な本数が必要なので、洋裁の針ではなく100円ショップで買った「虫ピン」を使う。 

虫ピンの頭はニッパーでトリミング。鉄線切断用のニッパーを使わないとニッパーの刃がこぼれるので注意。


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穴に一本ずつエポキシボンドをつけ一本一本角度を揃えて植える。


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「長いもの」と「短いもの」二つあるのは、マーブリングをするバットの縦・横サイズに合わせているため。 

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2011/05/23

舟底

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昨日の記事に出た自作ツール「舟底」。
実際の舟の底にはキール(竜骨)と呼ばれる船首か
ら船尾にかけて通る構造材があるが、そういったも
のを見立てた名称と思われる。

舟底を知ったのは栃折久美子氏の「手製本を楽しむ」
と言う本。日本における手製本のバイブルから。

溝付きの本を「ブラデル製本」というが、このミゾ
を付けるための道具が舟底である。



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上製角背本でも溝付けを行うが、これにはイチョウ鏝
という先端が鋳物で出来た鏝をコンロで熱して使う。

角背の溝付けは、背の方から平ボールの側面にむけて
斜めに付けるため、鏝の先端がやや鋭角になっている。

これに対して、丸背本のミゾは本文につけた「耳」と
平ボールの側面が平行になるよう付けるため、舟底の
ような道具が便利というわけだ。

また、とくに革を使う場合、イチョウ鏝のような堅い
素材だと、素材を傷つけたり、つぶしてしまうおそれ
もあるので「木」であることの意味は大きい。



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「こする」のではなく「押しつけるように」(上図)。

このような感じでミゾが入る(下図)。



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ありものの薄板を2.5ミリに削って、厚手の板で挟み
整形しただけのもの。 写真のものは、妙なパーツが
足されているが、これは2.5ミリ厚のブレードを長く
出し過ぎ割れてしまった*のを補修した改修版。

しかし、ミゾの深さは深くても3ミリ程度なので、押
しつけるブレードは今くらいのバランスで作るのが
良いと思う。





割れてしまった* =割れた原因はブレードの長さだけではなく、木の目の方向が良くなかった。写真で見るとおり、薄板の目は横に通っている。そのため、横に割れやすい。この場合、握り手の部分のように目を縦に使えばもう少し強度が出たに違いない。 「ありもの」でつくるのもよいが、理にかなわないことをすると結局は面倒なことになる、と反省。

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