道具

2017/04/17

カッター刃

04171


道具を整理したら大量のカッター刃が出てきた。
最近は恐ろしい事件が多いので「カッターが好き」などと口を滑らすとほとんど白い目で見られそうだが、もの作りをするものにとってはカッターはなくてはならない道具の筆頭。 

今まで、様々なカッター、カッター刃を試してきたが今はA型、L型の二種がメイン。

一時期A型とL型の中間サイズM型も使っていたが、私に取ってはやや中途半端な位置で「M型でないとダメ」という場面があまりないため使っていない。

5ミリ厚程度の合板を切る場合にかぎってH型というのも使うが、使用頻度はもちろん多くない。


04172


A型は最も一般的なサイズで、各社から販売されているが、本体に付属しているのはスタンダードな刃。
写真の右端がスタンダード。 見ての通りブレードケズリ角が一番狭い。 そのため刃の先端角が一番広く刃の持ちが良い。 普通はこれで事足りるが、さらに良く切れる刃を経験すると物足りない。 今は使うとしても鉛筆削り程度。

まん中はオルファの特撰黒刃。スタンダードに比べブレードのケズリ幅が広くなっている。
これが出たときスタンダードに比べ切れ味のシャープなことに驚いた。 一方添料の入った洋紙などを切ると刃が欠けていなくとも切れ味が悪くなる。 小まめに刃を折る必要がある。

そして左が貝印の職専超鋭角。 見ての通り特撰黒刃を大きく越えるブレードのケズリ角。 
刃の持ちは特撰黒刃同様良くないが、使い始めの切れ味は最高。 力を入れずともサッーと切れる。


04173_2


と言うわけで、L刃はテフロンコーティングのスピードブレード、A刃は職専超鋭角がわが家のデフォルト替え刃となっている。

どちらもちょっと価格は高めだが切れ味は折り紙付き。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/06/28

スピードブレード   OLFA

06271


ここ数年、カッター刃のL刃はOLFAの「特専黒刃」、S刃は貝印の「超鋭角」が定番となっていたが、ここに来て特専黒刃を脅かす替え刃が現れた。

「特専黒刃の研磨面にフッ素加工を施し、断裁時の抵抗を軽減することで、驚きの軽い切れ味を実現しました。」(OLFA ホームページより)

といううたい文句の「OLFA スピード ブレード」。


06272


ブレード部を含め全面黒色に身を包み、側面にはロゴが奢られる(上図)。

左より特専黒刃、スピードブレード、通常刃(中図)。
特専黒刃がベースであることが研磨面の幅でわかる。

光にかざすと、コーティングされたフッ素がブレードの先端にたまっているのが見て取れ、特専黒刃の方が切れそうに感じられる。(下図)。

ただ、特専黒刃のブレードに見えるヘアライン状の研磨あとはフッ素コートによって目立たない。


06273


切り比べは、無印良品の単行本ノートの小口切り。

特専黒刃(上図)下がスピードブレード。

特専黒刃だけを使っていたときには気づかなかったが、スピードブレードでの切断時の音がほぼ無音なため、特専の切断音が結構大きいこと驚く。

前の写真で見たブレードのヘアライン状の研磨あとが紙を引っ掛ける音のようだ。そして、音だけではなく、それがかなりの摩擦抵抗を作り出しているのも体感できる。

スピードブレードは音や摩擦抵抗が極端に少ないので、切っている様子がダイレクトに手に伝わる。


06274


カメラが壊れてほとんど参考にならない写真になってしまったが、上が特専黒刃、下がスピードブレード。

特専の方には筋が若干目立つのが分かるだろうか?

紙束を切る場合、定規にブレードが当たるのは最初の数枚だけで、そのあとは切った紙を定規代わりに切り進めることになる。

スピードブレードは特専よりも紙に対しての抵抗が少ないため、しっかりと直前に切った紙が感じられるので刃のブレがおきにくいという感覚。


06275


これも、ほとんど参考にならない写真になってしまったが、触った感じもスピードブレードの方が明らかになめらか。


06276


摩擦係数が小さく、すべりがよいということは、このように目引き時、紙束に切り込みを入れるというときにその特長は活かされる。

特専では、ある程度の深さまで切り込みを入れると刃が止まってしまい、あとは力任せ…ということになりがちだが、スピードブレードはスーッと切り込めてしまう。これは凄い(写真)。


06277


この特徴は黄ボールなど厚紙の切断にも発揮される。
2ミリの黄ボールを特専黒刃で3度刃を入れて切り離すとすると、
スピードブレードでは2度でラクラク切り離す。

ただ、大体上図程度2ミリ黄ボールを切ると、フッ素コートがはがれ、その魔法は解けてしまう(下図)。

驚くような性能だが、特専黒刃との価格差・耐久性などを考えると、当座は、スピードブレードの効果が最大限に生かせるシチュエーションに限って使うことになるだろう。

コピー紙一枚切るのに特専もスピードブレードも大して差は無いのだから。

ただ本心としては、一枚一枚にロゴなどプリントしなくて少しでも安くしてもらいたい。
実売で50枚1500円前後(特専黒刃の倍額)ならば全てスピードブレードにしてもいい!!


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013/02/21

骨ベラをつくる  Make a Bone Folder

02181


表題は「骨ベラをつくる」としたが、正確には「骨ベラを仕立てる」と言ったほうが正しい。



ボーンフォルダーの名で製本やカルトナージュ専門店で販売されているこの牛骨を素材としたヘラ。写真は手を加えてない状態のもの。



このままでも使って使えないことはないのだが、正確に筋を入れる、正確に折るとなると少々心許ない。

店頭で売られている状態はあくまでもヘラとしての素材であって、使用する人がその人にあった形状に仕上げてはじめて道具としての価値を持つようになる。



ちなみにヘラの素材になぜ「骨(その他に角や象牙などもある)」が選ばれるのか。

理由は「強度が高く摩擦に強いから」だろう。プラスチックのヘラも売られているが、薄くとがった形状を作り出せても、布や紙にこすりつけるとすぐに摩擦熱で変形したり、折れてしまう。



金属のヘラもあるが、逆にこちらは堅すぎて整形しづらい上、使用対象物の布や紙を傷つけてしまう可能性が高い。



最近では摩擦係数のテフロンを素材としたヘラも登場し、利用する場面も増えてきたが、「硬質さ」がないため、ある程度の厚みが必要で、骨ベラに全てが置き換わるまでには至ってない。


02182


買った状態は先端と後端へむけて少しずつ薄く整形されており、側面にはまるみを持たせてある。



先端は三角形に尖っており、後端は丸く仕上げられている。



表と裏の区別はあまりない。

ボーンフォルダーのスタンダードなスタイルだ。

同じ形状でも大きさが何種類かあるので、実際手に取り、握ってみて手になじむものを選ぶと良いだろう(写真)。


02183


整形には紙やすりを使う。耐水ペーパーと呼ばれる水をつけながら使用できるタイプのものを選ぶと良い。



紙やすりには目の粗さがあり、数字(番手)の大 きさで分けられている。数字の小さい方が目が粗く、大きいと目が細かい。



ちなみに私は、


荒削り #120 > #150 >#180* > #230


整形  #280* > #320 > #400* > #600 >#800*


仕上げ #1000 > #1200* > #1500 > #2000


と番手を上げていく。



このように細かく番手を上げるのは傷取りがより短い時間で出来るからで、多少時間をかけても構わなければ* の印がついた5−6種程度を用意すれば十分だろう。



荒削りでは板に番手の大きい紙やすりを貼り付けたもので、がりがり面を意識して削る。

板に貼らずに紙やすりを手に持ったまま削ると、エッジが出ず、いつまでたっても角の 取れた生ぬるい形にしかならないので注意。

エッジの立ったところは鋭く、丸く仕上げたいところは多角形にケズリ出すのが荒削りのポイント。



荒削りが終わったら、番手を上げるに従って紙やすりを手持ちに変えていく。ただし、シャープ(エッジたたせる)に仕上げたい部分は台に紙やすりをおいて削る。


02184


今回はこのような感じに仕上げてみた。



先端の上面を平面にし、エッジをシャープにした。定規にヘラを沿わせる際、厚みで誤差が出ないようにするためだ(上図)。



後端はあえて直線にカット(中・下図)。

売られているボーンフォルダーの後端は丸く仕上げられているものがほとんどだが、今までその必然性を感じたことはない。

今回は、真っ直ぐにして、ボール紙に布を巻くときの四隅の折り返し処理用としてカスタマイズしてみた。

といった具合に、自分の作業に合わせて道具を仕立てることができるのも「自分で作る」ことの醍醐味。


02185



紙やすりで仕上げが終わったら、やすった時にでた骨粉などをよく払い、リンシードオイルにつけ込む(上図)。

リンシードオイル「亜麻仁油」と呼ばれる油絵に混ぜるバインダーで空気に触れると硬化する乾性油。

先に、骨ベラが強度が高く摩擦に強いと書いたが、それは骨を構成する組織が隙間を持って絡み合って出来ているからだ。

通常のコンクリートよりも多孔質の「気泡コンクリート」のほうが軽く、強く、熱を通しにくいのと同じ原理。

ある程度のボリューム(厚み)があればもちろん問題ないが、今回作るヘラのように極端に尖っていたり、薄いものは細かい隙間が「欠け」の原因になってしまう。

これを予防するために固まるオイルを染みこませて隙間を埋めるのだ。



骨の隙間に入るだけの油の量があればよいのだから、特にどっぷりと漬ける必要はない。私はジップロックにヘラを入れ、リンシードオイルを少量入れてあらかた空気を抜き、ヘラの周りに油がまとわりつくようにしている。



これであればリンシードオイルが空気に触れることもないし、油の量も最小限に抑えることが出来る。



つけ込む期間は、ヘラの中隅々にまで油が染みこむまで。



光に透かしてみると油が染みこんでいない部分は不透明なのですぐ分かる。染みこむ前に取り出して仕上げてしまうと、使う分には問題ないが、見た目がムラになって美しく仕上がらない。



また、油は乾燥すると固まってしまい、もう一度油につけ込み直しても修正は出来ない。

必ず自分の目で見て仕上がり具合を確認して次の作業に当たるのが大切。


02186




一週間つけたこんだヘラ(上図)。

不透明な象牙色だったヘラに若干透明感が出てくる(中図)。

袋から出して水で洗い流したあと、番手の大きな耐水ペーパーで水を付けながら磨いていく(下図)。

磨いているうちに表面に浮いた油はとれてしまうので、石けんや洗剤で洗う必要はない。

ただし、染みこんだ油が完全に乾燥するまでは、表面に油がしみ出し対象物を汚してしまうこともあるので、しばらくの間は大切なものの上に置きっぱなしにしない方がよい。


02187


若干黄色く写っているが、処理前の写真と比べると密度が増したのがはっきりと見て取れる。

背景色が透けることで先端部分の薄さがわかる(上図)。


02188


先端と後端のエッジ。



02189


一番左が今回制作のもの。



こうして比べると、ロールアウト直後という感じの色でまだ若い。



これが使うごとに日を追うごとに油が酸化して飴色に変化していく。どのように成長していくのか楽しみだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012/12/11

Thread Heaven   スレッドヘブン 

12101


本を作るのに、折丁をかがっているときに多いトラブルが写真にあるような糸がらみだ。糸を取り回しているうちに糸に「撚り」がかかってからみやすくなるため起こる現象だ。

糸巻きなどから糸をとりだしで針に差した後、すぐに使うのでは無く糸を張って、指で何度かはじくようにすることで、糸のよりがいくらか安定し、からみにくくなる。

しかし、かがっているうちにどうしても変な「撚り」がかかってしまう。

糸の毛羽立ちをおさえるのに「ビーズワックス」や「蝋」を糸に塗りつけたりもするが、糸に張りがでて、いくらかからみにくくはなるが、根本的な解決にはならないように思う。


12102


このようなトラブルにかなり威力を発揮するのがこのThread Heaven(スレッドヘブン)。

「糸天国」などと日本語にすると何とも言えないネーミングではあるが、結構優秀な糸用ワックスだ。

コンディショナータイプのワックスとHPの説明にはあるが、糸の調子を整えるといったような意味だろうか。

合成樹脂製で、糸の滑りをよくし、静電気も押さえるとのこと。健康を害する物質では無いらしい。

使った感触はさらさらでつるつる。粘着性はほとんど無いため、ビーズワックスのように糸の毛羽立ちを抑える効果はなさそうだ。


12103


写真のようにスレッドヘブンと指の間に糸を通し、スーッと糸を引いていく。2−3度これを繰り返したあと、人差し指と親指でしごくようにして使う。

スレッドヘブンがつきすぎて困ったことというのはないが、つきすぎたら、定規のようなもので少ししごいてあげれば良い。


12104


これはスレッドヘブン使用後の糸の様子。

糸を早く引っぱりすぎて糸がからみかける(上図)。
スレッドヘブンを使っていないと、このまま糸同士がからんでしまう状況だ。

本来ならば、からんだ状態を解いてから糸を引いてトラブルを避けるが、スレッドヘブンの場合はこのままゆっくりと糸を引くだけ(中図)。

すると、勝手に糸のほぐれが解かれていく(下図)。


12106


このように何事も無かったように作業が続けられる。

ポイントはからみそうになったら糸をゆっくり引くこと。いくらスレッドヘブンでも、からみかけている時に糸を早く、強く引いてしまうと「糸地獄」におちいってしまう。

かなり有効なアイテムではあるが、万能ではないので、無理・頼りすぎは禁物。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/08/01

直尺用ストッパー

07221


これはステンレスの直尺にはめて使うストッパー。

直尺の幅に合わせた大きさで各サイズそろっている。


07222


ストッパーの側面に刻まれたスリットに直尺を差し込んで横についているネジで位置を固定して使う。


07223


このように対象物にストッパーをピッタリ当てると,それに対して定規はほぼ直角になる。もちろん,多少の誤差はあろうが,三角定規を当てて調べるてもそれほど不正確ではない。


07224


これは本当に便利だ。

ディバイダーの時にも書いたが,メモリを読むというのは意外に誤差が多い。同じ長さを測る場合,メモリを読むより物理的に長さをとらえる方が間違いがない。

本の幅や高さを測るとき,これでサイズを合わせれば,同じ長さを瞬時にとらえることができる。

また,小口断ちをした後,きちんと切れているかチェックするのも簡単だ。ただ,少しのズレもはっきりと分かるため覚悟が必要だ。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/07/31

直尺  a steel rule

07211


まっすぐな直線上の板にメモリが刻まれ,長さを表すものを定規といったり物差しと言う。 どちらも似たようなものだが,厳密に言うと,定規は直線を引く道具(直線定規の場合),物差しは長さを測る道具だ。

どちらもメモリが振られているが,物差しは計量法という法律に規定されている条件に即して作られており,計量器として検定を受け,校正証明を得たものだ。

とは言え,現実的には検定を受けたか受けないかの違いで,定規も物差しも普通に使う分には測ることにおいて全く問題はない。

製本ではカッターを使うこともあり,金属製(ステンレス製)の物差しを使う。直尺と呼ばれるものだが,これは計量器としての検定を受けたものだ。(ちなみにアルミ製のものは,熱による伸縮率が高いためか検定を受けていないので物差しではなく定規だ)


07212_2


短いものから,15センチ,30センチ,45センチ,60センチ,100センチ。製品では6メートルのものまであるらしい。


07213


ステンレス製の定規には3種類の表面処理がある。左から順に,ステンレスのヘアライン仕上げ,アルミ的な光を放つシルバー仕上げ,そして,加工法は分からないが,つや消し仕上げ。

ヘアライン仕上げは光の向きによって文字盤が見にくい。全体的に白っぽいシルバー仕上げが見やすい。つや消し仕上げは傷がつきやすく指紋も残りやすい。


07214


これは印刷関係者向けの定規。歯送りのゲージと裏面にはA判B判のサイズが刻印されている。便利かと思ったが単純に紙切り目的で使われることの方が多い。仕上げはつや消し。


07215


こちらは15センチ定規。通常は上のもののように片側が0.5ミリ刻みになっているが,この0.5ミリ刻みは老眼には大変見づらい。

そこで下の両側1ミリ刻みを買ったのだが,これは見やすく,大変便利(上図)。

また,端が少し折り曲げられており,そこを指で押すと定規が浮き上がる。これは意外に便利で,それまで使用していたもう一本の端をペンチで曲げて使っている。


07216


最後に定規の滑り止めについて。

紙を切るときにカッターを定規に押しつけて切るとずれてしまうことがある。それを少しでも防止するため,いろいろ試してみた。その結果,薄いゴムを貼る(上,60センチ直尺)のと,紙やすり(1000番程度,30センチ直尺)を貼るのが効果的と言う結論に達した。

どちらもいいのだが,ゴムの方が厚みがあるため,紙やすりがおすすめ。厚みをできるだけ押さえるため,両面テープではなく,多用途ボンドを薄く塗って圧着するとよい。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/06/26

scissors, 鋏, ハサミ

062011


そもそも基本的に荷物の多い家なのだが,その中にあって無駄に多いものが二つある。 それはハサミとカッター。 とにかく「よく切れる」ものに目がない。

ハサミ好きとして声を大にして言いたいこと,それは「可能な限り高いものを買おう!!」だ。 

100円ショップのものでもよく切れるが,切れ味や使い心地が安定しない。すぐに刃が緩んだり,切りはじめ,切り終わりがよれたりする。

道具とは手になじんで初めて真価を発揮するもの。すぐ切れ味が落ちたり,がたついてしょっちゅう買い替えないといけないようでは,上手に扱えるようにはならない。

切る対象によって大きさを替えるのが理想的だが,予算的に厳しい場合は手の大きさに応じて,16−18センチ程度のものが一本あると色々使える。

以下は,今まで購入したハサミで良いと思ったもの。


062022


ダーレ21センチ。
ダーレのハサミはとにかく気持ちよく切れる。21センチは比較的大きいので,新聞・雑誌の切り抜き,ちょっと厚手の紙切りに使う。乱暴に扱ったため,ひどく刃こぼれしたが,だめ元で分解して研いだところ,また切れ味が復活。このような暴挙は決してお勧めしないが,素材が良いからこそ可能なことで,100円ショップのハサミではすぐゴミ箱行きだ。


062033


ドボ フラミンゴシリーズ18センチ,13センチ
少々固いのが難点だが,とにかく狙ったラインをきちんとトレースする正確な切れ味が魅力。一番良く使うのがこのハサミ。赤と黒の段だら模様がかわいい。 残念ながら絶版。 


062044


ツヴィリング ヘンケルス 16センチ,13センチ
双子マークでおなじみヘンケルスのはさみ。これが一番コストパフォーマンスが高いのではないか。値段も2000円以下,10年以上前に買ったものも未だ現役で,切れ味もそれほど落ちていない。使い心地も固くなく,葉の先端までよく切れ,使いやすい。


062055


これはクマ氏が新築祝いにプレゼントしてくれた和ばさみ。洋ばさみに比べて刃が薄く,刃の先端の先端でもパチンと切れる鋭さ。プロの帽子屋さんが使用しているのと同じものらしい。 もったいなくて紙には使っていない。綴じひもの端をパチンと切ることに使う。 鋼鉄製でステンレスとは切れ味が数段違う。 


062066

ヘンケルス11センチとタミヤエッチングばさみ
どちらも糸切り用。糸切りにはハサミの胴は使わず,先端を使う。だから,小さくて先端の切れ味が良いものを選ぶ。ヘンケルスは安定した切れ味。タミヤのものは支点(ネジで止まっているところ)作用点(刃部分)が近く,力点(握りの部分)から遠いので太いひもや固いひもを切る場合,軽い力で切ることが出来る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/06/09

Marbling Combs  櫛 

0609kushi1


先日購入した田中直のマーブリングセットの具合を試すため、道具を作る。

マーブリングは比重の大きな液体に浮かせた比重の軽い絵の具を、息を吹きかけたり、櫛などで動かすことで模様を作り、紙に写し取る技法だ。 確か小学生の頃、図工の時間に経験した覚えがある。

だが、トルコが起源とも、中国が起源とも、はたまた日本が起源とも言われるマーブリングは1000年以上前に生まれた歴史ある技術。 それなりのマーブリング作品は息をのむような美しさだ。

専門家が作るため息が出るような、とまではとてもいくまいが、今回は少し細かな模様に挑戦するため、専用の櫛を作ることにした。


0609kushi2


以前同じような構造の櫛を竹串で作ったのだが、竹串では太すぎたらしく、繊細な模様が出来なかった。その反省点をふまえ、今回は針を使用した。

まずコンパスで針を植えるラインを描く(上図)。

次にラインに沿って針を植えるピッチ(1センチ)をディバイダーで分割する(中図)。

ルーターで0.5ミリのドリル刃で穴をあける(下図)。


0609kushi3


植える針。 結構な本数が必要なので、洋裁の針ではなく100円ショップで買った「虫ピン」を使う。 

虫ピンの頭はニッパーでトリミング。鉄線切断用のニッパーを使わないとニッパーの刃がこぼれるので注意。


0609kushi4


穴に一本ずつエポキシボンドをつけ一本一本角度を揃えて植える。


0609kushi5

「長いもの」と「短いもの」二つあるのは、マーブリングをするバットの縦・横サイズに合わせているため。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/05/19

Divider = ディバイダーまたはスプリングコンパス

05151



もの作りである一定の幅をとりたい場合定規は使わず、
ディバイダーと呼ばれるコンパスの両足が尖った道具
を使う。 定規の目盛りを見ながら印を付けたのでは
微妙にずれてしまうからだ。 物理的に決められた幅
はずれる心配がない。



05152



ディバイダーにもいろいろ種類があるが、製本でよく
使われるのはスプリングコンパスと呼ばれるネジを
まわすことで幅を変えられるもの。先端の動きを微妙
に調整でき、少し乱暴に扱ったとしても設定した幅が
動くことがない。


05153



製図用のスプリングコンパスも同じ構造だが、平面
のみを対象にしているため、少々華奢で、頼りない。
印を付ける目的のケガキ用スプリングコンパスを選
びたい。



05154



ケガキ用スプリングコンパスは別名鉄製コンパスと
呼ばれるように、素材が鉄であることが多く、手入
れを怠るとすぐに錆びに悩まされることになる。

かといって紙を扱うことが多いため、使うたびに油
で手入れというのもはばかられる。 黒染めされた
製品もあるので、そういった製品を選ぶ手もある。



05155



しかし、私はこれ。
ステンレス製のスプリングコンパス。 これならば
錆とは全く無縁。柔らかくマット処理された表面が
とてもきれいな逸品だ。75mmと小振りのサイズ
ではあるが、むしろスプリングコンパスの活躍の場
はこの程度の大きさで事足りる。

「Harp」社という日本の会社の製品で1300円程で
購入できる。リーズナブルな価格も魅力だ。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/05/15

叩きもの hammer 槌 鎚 トンカチ 玄翁

05131



今回はトンカチについて。一般にはだいたいトンカチ
の名で通る叩きものだが、実は用途によって様々な材
質、大きさ、形状がある。 

ここで紹介するものは普段家の中でものを作るときに
よく利用する叩きものたちで、本作りに利用可能なも
のを中心に紹介。



05132



一番上はネイルハンマーと呼ばれる様式ハンマー。
叩く部分の後ろが釘抜きになっている。

二番目、三番目は玄翁(玄能=げんのう)。玄翁と
いう和尚さんが昔「殺生石」を金槌で破壊したこと
からこの名がついたらしい。  二番目の断面が八角
のものは八角玄翁といい、平らな側面でも叩くこと
ができる。 製本では断面が○よりもこちらが使い
やすい。 専門店に行くと重さが色々あるので、あ
まり重くないものを選ぶとよい。 製本では力一杯
叩く必然性がそれほどないので。

四番目、五番目は先切り金槌。頭部の一端が尖った
形状っている。 四番目は先切り金槌の小型のもの
で、建具屋さんが使うもの。 もう少し頭が寸詰ま
りになった彫金用のおたふく鎚も同じ系統。
玄翁よりも小型で、振り回しが楽なので折丁を叩い
たり目打ちを打ち込み、ポンチの打ち込みに使う。

五番目はタイル鎚。タイル職人がタイルを貼るのに
使ったり、タイルを部分的にはつるのに使う。
エッジが出ているため、かがり台で本かがりをする
とき、折丁の背綴じ紐の際を叩くのに便利だ。
ただ、エッジが立ちすぎで、少し叩く角度がずれる
と痕になるので、少しだけヤスリで角をとって使用
している。



05133



金槌三兄弟。 とにかく小さめがよい。



05134



こちらは丸背本を作る際に使用する金槌。

上が筋玄翁。叩く面に筋が切られており、丸みを出
した折丁の耳を出すときにこの筋でゴリゴリっと崩
しながら叩くのに使う。反対面は背がためのときに
表面を均すのに使う。 製本専用道具だが、重いの
が玉に瑕。個人的には半分とは言わずとも2/3程度
の大きさ充分だと思のだが。

下は製本倶楽部K氏がジョイフル本田で発掘してき
た足場用ハンマー。丸みだしに使う。筋玄翁はじめ
他の金槌でも丸み出しは出来るがたたける面積が狭
く今ひとつ使いづらい。

有る程度、平面の幅があり、その幅に均一に力がか
かるような重さのある方が丸みをきれいに出すには
有利なのだ。 フランスの製本用ハンマーがまさに
そうした特徴を持っているのだが、手に入れにくい。

その代わりがこの足場用ハンマーだ。トントントン
と、対象の面へ平均に力がかかりとても使いやすい。
女性には少々重いかもしれないが、おすすめだ。



05135



こちらは木槌系。 ちなみに金属のつちは「鎚」、
木のつちは「槌」。

上は文字通り木槌。折丁を均すのに叩いたり、表紙
素材の折り返し部分のふくらみを叩くのに使う。
叩く面が緩く湾曲しているため、対象物に木槌のエ
ッジ疵がつきにくい。

下は樫矢(かしや)。目打ちを叩くのに使う。
面が広いので打ち損じが少く、重さがあるのでしっ
かりと打ち込める。 が、金槌でも充分*なので、あ
まり使うことはない。





金槌でも充分* = 叩きもので怖いのはやはり釘や目打ちを叩かず、手を叩いてしまうことだろう。とくに小さい金槌で小さい対象物を叩くときは「ずれ」の許容範囲が少ない。怖いと思ったら面倒がらずに専用の道具を使うべきだろう。 ちなみにうまく叩くコツは決して叩く場所から目を離さないこと。凝視している場所が叩くポイントになるのだ。 手に当たらないかと、手を見ているとかえって手に金槌が向かうことになる。 金槌の動きを目で追うのも現金だ。 




| | コメント (0) | トラックバック (0)