製本

2018/10/24

御朱印帳 その4

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御朱印帳用の用紙を中おもてに半分折りにする。
一包み500枚が一回の作業単位。


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端を寄せ盤にあわせて折る。
折り本は中おもてに折った紙の背と前小口を交互に重ね、貼っていく構造なので、折りが少しでもずれると仕上がりが汚くなるため天地前に狂いが出ないように注意して折る。

折りながらふと、最近人工知能・ディープラーニング・ロボットに人間の仕事の大半がうばわれるという話題が頭をよぎる。

当ブログのタイトル「キル・オル・トジル」は本をつくる上で欠くことのできない作業の代表だ。

さすがに数をこなしてきたこともあり、普通の人に比べると手際よくこなせるようになったと思うのだが、機械に比べられてはその精度、スピードとも全く太刀打ちできるものではない。

紙を半分に折る、という単純作業をしながら一束500枚の紙を折ることにかかる時間を考えてみる。 
一組20枚の紙を束から分ける7秒、(一枚の紙を取り上げて寄せ盤へセットする2秒、端を合わせて折る4秒)X20枚分:80秒、(折った紙を重ねる2秒)X20枚分、20枚の紙をしっかり揃える作業3秒。

一セット分を作るのに計96秒、これを500枚(25セット分)とすると40分。 もちろん作業と作業の合間の時間、トイレに行ったり飲み物を飲んだり、電話に応対すれば簡単に1時間を越える作業となる。

ではこれを機械に任せたら…恐らく折った紙をさらに交互に重ね糊付けまでしてほんの数分もあれば仕上げてしまうだろう。

いったい機械でもできることを人がするという意味は何なんだろう?
こうした作業に価値を見いだすことはできるのだろうか?

将来、人工知能やロボットは本当に人間を幸せにするか?
人間は経験に基づく技術や技能をすべて機械にゆだねて幸せになれるか?

そもそも幸せとは何なのか? 何でも楽して便利なことが幸せなのか?


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そんなことを考えながら紙を折りつづけたら、意外に早く作業が終わった。

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2018/10/09

御朱印帳 その3

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ストックの折り本の中味をすべて作り終えたので、中味の補充。


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用紙を中おもてに半分に折り、プレス。 折り目を落ち着かせて一冊の枚数分に分ける(上図)。

用紙は小口と背を交互にして重ね合わせ、一冊分ごとにクラフト紙の帯で束ねる(下図)。

こうすることで糊付け時のズレを防ぐことができる。


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糊盆に正麩糊とボンドを混ぜた糊ボンドをつくり、手締めプレスに挟んで貼り合わせ折り本にしていく(写真)。


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丸一日プレス後、ページの確認(上図)。

中味の完成(下図)。


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2018/09/11

御朱印帳 その2

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表紙づくり。


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反物は幅が狭いため、丁度良い縞の部分を選び、且つ歩留まりよく切り分けるために慎重にボール紙を貼る位置を決める必要がある。

まず透明の三角定規で縞の位置と折り返し幅を見極めながら位置決め(上図)。

次に曲定規に木を貼り付けた道具を位置決めした三角定規にあてる(下図)。


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表紙ボールにボンドをつける(上図)。

曲定規に合わせて表紙ボールを貼り込む(下図)。


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あとは折り返し部分15ミリを幅定規で切り、四隅を特製治具で三角形に落としていく(写真)。


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折り返し部を貼り表紙の完成(上・中図)。

表紙のエッジをまるく落とすとこのように見た目が柔らかく手へのあたりがよい(下図)。


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黄ボールの切り落としをペタペタと貼り合わせて正20面体を作ってみる。

世の中に5つしか存在しない正多面体・別名プラトン立体。
12面体とこの20面体あたりはゾクッとする美しさがある。


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2018/09/06

御朱印帳 その1

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川越唐桟を入手したので御朱印帳を増産。
中味は作り置きを使用。 
ちょうど仕入れた川越唐桟分の冊数くらいか。


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表紙ボールを切り出す。

塵は天地左右各1ミリ+記事の厚み。

最近は目が悪くなったため、定規の細かいメモリで合わせようとするとどうも誤差が発生するので、1ミリ厚の幅定規を二枚本文の縦横にはさみこんで定規ストッパーで物理的に計測(上図)。

黄ボールを切り出していく(中・下図)。


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表紙の表部分のエッジをカッター落とし、紙やすりで軽くまるみをつけておく(写真)。

毎度のことだが、このひと手間で見た目も手にしたときのさわり心地もあたりが柔らかく感じらる。 手づくりの良さだ。


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あとは表紙布を貼って、布の段差を吸収する裏打ちをし本文と貼り合わせる。 中味ができていればこそのスピード感。


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ということで、ついでに次回分の中味の仕込みも同時進行。

また、14,5冊分ほど用紙を折り、手機械に挟んで折り目を落ち着かせる。

つづく。


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2018/08/31

川越唐桟の裏打ち

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先日手に入れた川越唐桟の裏打ちをする。
川越唐桟のはぎれは尺売りされている。ここでの尺は一尺36センチ。

この尺という単位が厄介で、たとえばインターネットで<一尺>と打つと30.303センチとでてくる。

和装の世界では鯨尺(くじらじゃく)または呉服尺という尺度が使われており、これが378.788センチ。これに近い数字と言うことだろうか。 

そもそもこの呉服尺は飛鳥時代頃に使われていた高麗尺を元にしたともいわれている。 高麗尺は約36センチ。

高麗尺といえば法隆寺が飛鳥時代に創建された当時のものか、奈良時代に再建されたものかで騒がれた法隆寺再建・非再建論争も一時、現在残っている建物の尺度が高麗尺に即した尺度で作られているところから、非再建であるといわれていた時期もある。 もちろん今では再建されたというのがスタンダード。

そもそも、尺とは中国で親指と人差し指をめいっぱい伸ばした長さ…約20センチと決めたのが始まりと言うことだが、色々な産業や用途によって同じ単位名でも様々な長さがあるというのは慣れていないと間違いを起こしそうだ。


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とりあえずシワ取りにアイロンをかける。 アイロンはストライプに沿って、線が歪まぬようにかける(上図)。

ハギレなので、反物の端がないので、表・裏が良く分からない。何か違いがあるかとハギレの端を折って裏と表の模様を合わせて拡大してみたところ何の差もないので、とりあえずどちらでもよいことにする。

考えてみれば単純なストライプの場合先染めした糸を折りあげていくだけなので、特に表・裏があるわけでも無いだろう。 しいていえば糸切れや糸替えで糸を継いだ結び目があればそれを裏に回す…くらいでよいのではと勝手に得心(下図)。


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裏打ちにはホットメルト紙を使う。

軽くアイロンで仮止めし(上図)、

布に合わせて余分をカット(中図)。

そして、アイロンを木綿用の温度にして圧をかけながら密着させていく(下図)。

ここでしっかり密着させないと表紙ボールに巻き込む際に裏打ち紙葉ガレを起こすことになる。


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2018/05/31

ドイツ装角背ver. その1

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丸背ドイツ装が面白かったので今度は角背で作ってみる。


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本文は以前まとめて作っておいた更紙のもの。
更紙は水性インクペンで何かを書くと裏移りして厄介だが、太めの芯ホルダーペンを使う分にはとてもよい。何と言っても軽いのがうれしい。


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表紙の平・背ボールを切り出す(上図)。
平ボールは<本文の天地幅+5ミリ>。 
背ボールの幅は<本文の束の厚み+ボール紙の厚み×2>。

本文に表紙ボール二枚を重ね、ノギスで厚さを測りとる(中図)。

測りとった背幅はノギスの尻に出るデプスバーに比例するので、そのままボール紙にデプスバーの長さを写し取ると数字を読む必要がなくなるので便利(下図)。


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花布には表紙布と共布にするため、自作。

布を約2.5㎝幅に切り出し、7ミリ幅程度にヘラで折り筋をつけ、折り目をしっかりつける(写真)。


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ボンドをしっかり塗り、紙芯を折り目部分に置く(上・中図)。

折り目部分に紙芯を押し出すようにヘラで折り目を接着する(下図)。


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こんな感じで花布完成(写真)。

つづく。


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2018/05/22

無印良品・週刊誌4コマノートミニの改装

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無印良品・週刊誌4コマノートのドイツ装への改装。


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週刊誌4コマノートはマニアうけするノートで、熱狂的なファンがいる一方売れ行きはいまいちなのか、いつの間にか店頭から消えているということが多いようだ。

現在も、数ヶ月ほど前には店頭に積んであったのに、現在はネットショップをはじめ近所の実店舗にも置いていない。

試しにある店舗で聞いてみると、どうやら廃盤ではないが現在どの店舗にも置かれない状況で、一応注文は受け付けているとのこと。 

ちなみに他店舗では全く状況がわからないとつれない返事。 やる気のある店とそうでない店の差がこうしたところに現れるものだ。

取り寄せ時期については一ヶ月後程度みて欲しいという話だったが、昨日商品が用意できたとの知らせが来た。 一ヶ月どころか一週間で手にすることができた。


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オリジナルのノートはA4サイズ、一折り88ページ、中綴じホチキス止めの週刊誌スタイル。

改装ではこれを二冊分を一冊にまとめた。 計176ページ、つまりA4サイズ44枚の用紙を4枚一折りに組み替え、11折りの本かがり丸背仕様に変更。

週刊誌のようにかなり多い枚数の用紙をまとめて半分に折ると、紙の厚み分一番外側の用紙が一番内側の用紙よりも小口側が短くなる。つまり、小口の形状が束の上から見たときに束の中央ページを頂点として、最初と最終ページに向かって山形になってしまう。

これを吸収するために週刊誌等は断裁して小口を平らに仕上げている。

つまり、週刊誌タイプの用紙は広げると中央の紙の大きさと最初・最終ページの大きさは厚みの影響が出た分差が出ることになる。

今回の改装ではオリジナルのノートの内側の紙から外側の紙へ順に4枚一組で順に重ねることで、斜めの小口を残してみた。


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背と表紙を別に取り付けるドイツ装=ブラデル装。
今回は表紙に使った布の赤と同系統の赤いスキバルテックスを背素材に合わせ、背と表紙が別々に作られているというよりは一体感を重視したデザインにした。

ちなみに表紙布は製本倶楽部のクマ氏が原宿あたりで調達した布をこっそり使用。


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娘が絵の勉強を始めたので、そのアイディア帳として使う予定。


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実は斜めの小口はページが大変めくりやすいと言うことが判明。
しかし、実際のところ使っていくと何かしら問題点も見つかるかも知れない。

新たな週刊誌4コマノートを入手したので、今度は自分用に作って実際に使ってみよう。 


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ところで、ドイツ装の名称については合本ノート記事でも紹介したが、ドイツ装の名は「製本工房リーブルの岡野さんの<豆本をつくる>が初出」であることを同じ記事にYKさんがコメントを残してくださったことで解決。
YKさんありがとうございました。

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2018/05/14

無印良品・週刊誌4コマノート・ミニの改装 その5

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表紙の仕上げ。

背表紙の厚くなった天地の折り返し部分間の段差を同じ厚さの地券紙で埋め立てる(上・中図)。

同様に折り返しで段差ができた平表紙裏も地券紙で埋め立て(下図)。


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本文と表紙の接合。

最初に背部分のみ接着する。 濃いボンドを本文、表紙の背部分に塗りつけ天地のチリが同じになるように注意しながら貼り付ける。

貼ったあとは下敷きなど薄く堅い板を本文の中央付近のページへ差し入れグッと押し込み密着させる(写真)。


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背のボンドが乾くまでミゾ付け板に挟んでおく(上図)。

本文と表紙がついた(下図)。


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見返し糊入れ(写真)。


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見返しに吸湿用の水彩紙を差し入れMDF板に挟んでプレス。

そのご、何度か水彩紙を替え、一晩プレスして完成。


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2018/05/10

無印良品・週刊誌4コマノート・ミニの改装 その4

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表紙の準備。

クータのついた背の耳から耳までの距離を紙を巻いて実測。


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背幅をディバイダーで測り取り、地券紙に移し切り出す(上・中図)。

背表紙素材に切り出した地券紙を貼る(下図)。

このあと地券紙の左右にそれぞれミゾの分(約6ー7ミリ)と平表紙との連結部分(約20ミリ)を残しを、天地に折り返し分15ミリを残して背表紙素材を切り出す。


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表紙ボールの裏側に背表紙との連結部分の段差が目立たないようにボール紙を0.7ミリ程度剥ぎ取る。

最初に接合幅20ミリ位置にカッターで切り込みを入れる(上図)。

ボール紙を薄剝ぎする(中図)。

ペーパーで全体を平らに均す(下図)。


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表紙素材にボール紙を貼り込む(上図)。

四隅を斜めに切り落とす(中図)。

長辺のみ表紙素材を折り返す(下図)。

短辺は背表紙と連結してから折り返す。


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準備ができた背表紙と表紙(上図)。

連結する表紙の裏(段差をつけた部分)に濃いボンドを塗り、背表紙を貼り込む(中・下図)。

裏表紙も同様に背表紙に貼り込む。

つづく

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2018/05/01

無印良品・週刊誌4コマノート・ミニの改装 その3

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見返しやら表紙やらを見繕いつつ、作業を進める。


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写真のないまま、丸みだし→耳出しを完了。
背綴じひもの端を平部分に繊維を広げて接着。
栞ひも、花布付けを行う。


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天地花布間の段差を地券紙で埋め立てる。

埋め立てる地券紙はあらかじめエッジの立った木などの角にこすりつけるようにしてしごくと折り癖などがつくことなく丸みを出すことができる。

が、先日YouTubeをみていると、恐らく専門の器具だろうか、横バーの直径が15ミリくらいの小型の鉄棒状の器具があって、そこに丸背本の背部分をこすりつけて背部分に丸みを出していた。

木のエッジにこすりつけるのも特に不便ではないのだが、鉄棒で一気にこすりつけて丸みを出すというのもなかなかに魅力的。 
考えてみれば自製かがり台の横棒を丸棒に替えればできてしまうので、今度試してみよう。


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埋め立てを終えた背に寒冷紗を貼り付ける(上図)。

花布は例によって糸で簡易的に綴じつける(下図)。


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背にクラフト紙でクータを取り付けて本文完成。

つづく。


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