製本

2017/09/22

ミニ和本 その1

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以前 kuma氏にもらった中華半紙が出てきたので、和本をつくってみる。

白蓮というメーカー。インターネットで調べたが紙の詳細は分からず。


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紙は薄くしなやか。細かな簀の目が入っている。 表面には光沢があって筆運びが良さそうな半紙だ。

ただ残念なことに所々に茶色いしみが浮いてきているので、一枚を4等分にしてよさそうな部分を使ってのミニ和本とした。


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数枚ずつ折り紙切り包丁を使って4等分に裂く。


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薄手の紙なので二枚重ねし、外表で半分に折る(上図)。

半分に折った半紙の大きさと同じ大きさに切った別紙に穴開け位置を作図(中・下図)。


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一冊分の半紙と作図した穴位置の紙を突きそろえて、目打ちで軽く穴位置を本文紙に移し、目打ち台で穴を通す(写真)。


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コヨリをUの字にまげ、目打ちで開けた穴に通し、ギュッと結ぶ(写真)。


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糸端は5ミリほど残して切り、結び目は金鎚で軽くたたいてつぶしておく。


中味の出来上がり


 

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2017/05/27

コプト製本 Coptic Binding

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コプト製本(coptic binding) はエジプトのキリスト教信者コプト教徒が西暦2世紀頃から11世紀頃まで利用していた製本法。

各折を一つ下の綴じ糸に絡めながら綴じていくことで、背にでる綴じ糸がチェーンのような形に見えるので綴じ方自体はチェーンステッチリンキングとも呼ばれるようだ。


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無骨な外観だが、存在感がある製本。

背固めも背表紙もないため開きはストレスフリー。


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表紙の板の断面から平部分へ斜めに開けられた穴をとおって表紙が本文と接続されている。

これは表紙と本文とを綴じる糸の距離を最小にするためと思われる。


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用紙は新バフン紙(上)と宣紙(下)。
バフン紙のほうは4枚一折りで、小口は化粧断ちしていない。

宣紙は喰い裂きにより断面に表情がつけてある。


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綴じ糸にあったゴムをつけてみたが細いものしかなくちょっと繊細すぎか(上図)?

真田紐のようなゴワッとした紐を巻き付けてとめるほうが雰囲気が良いかもしれない(下図)。


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2017/05/13

コプト製本 その5  Coptic Binding #5

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綴じ作業。
一折り目の内側から針を通す。 
糸は生成りの麻糸。


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折丁の外へ出し、木の表紙に綴じつける(上図)。

これをくり返し、二折り目を綴じつける。 二折り目以降は必ず下の折の綴じ糸に絡ませながら固定していく(中図)。

宣紙は和紙に近くフカフカしている紙なので12折綴じた(下図)。


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最後の折から表紙を綴じつけ、糸を切り完成。


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新バフン紙バージョンも綴じ作業。
こちらは硬い紙なので、宣紙の厚みに合わせて8折とした。 糸は緑系の麻糸を使用。

そして完成へ。


 

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2017/05/05

コプト製本 その3  Coptic Binding #3

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穴を開けた板は手に取ったときの当たりを良くするため角を丸める。


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120番程度のペーパーで慎重に角Rをつけます。
特に背部分の断面から平部分へ斜めに穴が開けられた部分は慎重に作業をしないと穴が割れてしまうので注意。


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良く木くずをはたいてニスを塗る。


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今回使用する紙の一つはこれ、「宣紙」。
聞き慣れないかも知れない方でも「画仙紙」とい名は知っておられるかと思う。画仙紙の仙紙=宣紙のこと。

中国安徽省涇県産の砂田稲草と青檀樹皮を原料とし安徽省の宣州で作られるところから宣紙と呼ばれるとのこと。 1000年持つ紙らしい。 

画仙紙は書画に使われる紙一般をいい、宣紙はそのオリジナルでありブランドでもある、と言うことらしい。

これは正真正銘の
中国安徽省涇県産 紅星牌製の紙。

柔らかくしなやかな紙だ。 


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幾重にも軽くではあるが畳まれているのでその跡をアイロンで軽くのばす。


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今回この紙を利用したのはこのため。

紙を折り、折り目に水をつける(上図)。

両手で折り目を広げるようにして裂く(中図)。

いわゆる喰い裂きで切り口に表情をつけようというわけ。

どういう紙でも喰い裂きは出来るが、半紙だと薄すぎるし、厚みのある紙だと枚数をこなすには手がかかる。

この紙だと比較的厚みもあり裂きやすいため、喰い裂きにはもってこいなのだ。

つづく。


 

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2017/05/01

コプト製本 その2  Coptic Binding #2

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ピンバイスとドリル刃。
最近あまり出番がなかった道具の筆頭。
 
一番細い刃は0.3ミリで0.1ミリ刻みで1.2ミリくらいまでが揃っている。

10年くらい前、0.3ミリのドリル刃などはすぐ折れるくせにビックリするような値段でとても慎重に使っていたものだ。

しかし最近では0.5ミリのドリル刃が100円ショップでも売られているので、切れ味はともかくこのぐらいの細さになるとクルクル回せば穴が開くので、何種類か持っていると楽しい。


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で、今回はこのドリル刃を何に使ったかというと表紙に使う木の穴開け。 

平らな部分を開けるだけなら小型ルーターにドリルを取り付けてギューンとやるのだが、今回は5ミリ厚の木の平から小口の断面へ斜めに穴を通すため、慎重に角度を見ながら細めのドリル刃を使って手回しで開けた(写真)。


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穴は小口側と平側の両側から開ける。そうすると木のバリが出ずに済むからだ。

ただ、穴が真っ直ぐつながっていないことがあるのでこれまた極端な道具「針ヤスリ」という極細ヤスリで穴を真っ直ぐ通す(写真)。


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真っ直ぐとおった穴をさらに径の太いドリル刃で広げる(上・中図)。
この場合も小口側、平側両方から開けていく。
開けた穴は丸型の精密ヤスリで形を整える(下図)。


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表紙の穴開け完了。

つづく

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2017/04/27

コプト製本 その1  Coptic Binding #1

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散歩をしていたら材木屋さんの店頭に薄板が出ていたので購入。 右から米松、ラワン、桐材。


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サンダーで表面を軽く整える。 


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適当に切り分け、サイズを測る(上・中図)。

それに合わせ穴開け位置を作図(下図)。

こんなことはその場で見当あわせすればよい話なのだが、老眼には定規の目盛りを読み取るよりも慣れたコンピューターでちゃっちゃと作図した方が間違いがない。


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図面をプリントアウトし、カッターで切りとって板に合わせてマスキングで仮止め(写真)。


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開けるべき穴の位置を目打ちでチェックする(写真)。


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外側のアナは断面に向け斜めに開けるため目打ちであまり深い穴は開けないように注意(写真)。

つづく

 

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2017/03/28

ロングステッチノート ベルト留め ver.

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結局ロングステッチ製本は背に幅の広いステッチがでるからロングステッチなのか。 

糸かがりの本やノートのほとんどは表紙が中味をくるんでいるため、縢られたステッチを外から見ることは出来ない。

仮に見える仕様だったとしても、背綴じひもに縢り糸をからませながら綴じていく本かがりや、折丁間を糸を行き来し、絡ませながら綴じるコプティック製本などみると背には上下をつなぐ糸が部分的に見えるだけで縫い目(ステッチ)はない。

これに対してロングステッチは表紙に折丁を縫い付けて行く構造なのでステッチ幅の長短はあるにせよ背には必ず縫い目が現れる。 これがロングステッチの由縁かと想像するわけだがいかがなものだろうか?

背にステッチがある、というのはスレや引っかかりによって壊れやすいデメリットがあるがステッチをデザインのエレメントとして使うこともできる。 糸の取り回しあたりで楽しみたい製本だ。


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今回は隣り合う折丁を行き来しながらX模様をだすオーソドックスなパターン。

ベルト留めとし、効果があるのかないのか滑り止めのスタッツをつけてある。


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折丁は8丁。


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ベルトは背の革と本文の間にはさんで固定(中図)。
開きはストレスフリーで全開(下図)。


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折丁がたいして多いわけではないので、糸は継がずに一本で縢っている。 縢り終わり頃になると糸に撚りがかかったり毛羽立ちが目立ってくるが、途中蜜ロウやす糸用ワックスのスレッドヘブンなどをつけることで改善できる。

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2017/03/24

ロングステッチノート  Long stitch Note

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ステッチは縫い方や縫い目のことをいうので、ロングステッチはさしずめ「長い縫い目」という意味合いだろうか。

しかし同じように長い縫い目の「三ツ目閉じ」はロングステッチとは言わないので単純に長い縫い目のこと称しているわけではないようだ。

ロングステッチとは折丁と表紙をを一本の糸で綴じつける製本のことを言うようで、折丁に開ける穴の数が少なければ長い縫い目にもなるし数が多ければ細かい縫い目にもなるため、縫い目の長さが名前の語源とはいえないように思えるが、本当の名の由来はどうなのだろうか?

それはさておき、折丁への穴の開け方や綴じ方で背に見える糸の取り回し模様にバリエーションが出来るため、作りやすさも相まって初心者にも取り組みやすい製本ではある。

作り出す前に作るノートの糸の取り回しを考える(写真)。


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紙を切って折丁を作る(写真)。


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折丁に開ける穴のガイドをプリントアウト(上図)。

L字に組んだ穴開けジグに折丁をせっとし、穴開けガイドを折って合わせる(中図)。

目打ちを使って折丁にしっかり穴を開ける(下図)。


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穴を開け終わった折丁を揃え穴の確認(写真)。


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表紙革に背の背穴位置をプリントしたガイドを合わせてスクリューポンチの直径1ミリで穴を開けていく(写真)。


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糸をで折丁を綴じつけていく(写真)。

のりを使わないので素材さえ揃えばすぐに完成する簡易なところがこの製本の良いところ。


 

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2017/03/11

無線綴じを考える  完結編

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無線綴じ企画ひとまず完結。


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せっかくなので表紙のバリエーション見本として4タイプそろえてみた。
総布装(左上)、四半装(右上)、半装(左下)、角革装(右下)
これがトラディショナルな切り返し方法だが、スタイルにとらわれず斜めや曲線などで切り返しても面白いと思う。


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手間はかかるが表紙と背表紙を一度和紙で継いでから本文にくるみ、前小口の出を調整するとチリの出具合の仕上がりは各段に良くなる。


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1.総布装と四半装が<切り込み+ホットメルト>(上図)。
2.半装が<切り込み+小口をずらして本文側にボンドが入るようにする+ホットメルト>(中図)。
3.角革装が<切り込み+背綴じひも仕込み+ホットメルト>(下図)。

どれもホットメルト処理前に比べ若干開きにくくはなるがかなり力を入れても割れることは今のところない。 ホットメルト層の役割は大きいようだ。 

個別に見ると(かなり開いて見た状態で)

1.は切り込みが何となく感じられる程度。恐らく凹みの断面にホットメルト層が入り込んでサポートしているため、切り込みの一番深い部分のみが見えているという状態だろう。

2.は切り込みは全く見えない。ホットメルト層がないときは開きの力に負けて紙が裂けて割れてしまったが、ホットメルト層のおかげでこれが完全に保護されているようだ。

3.は背綴じひもが仕込まれている若干深く入れた切り込みが見えている状態。背綴じひもでしっかり各用紙が連結されているため、保護しているホットメルトのおかげでひもの切り込み以上開かないのだろう。

開きという点で言えばのど元まで開けば開くほど良いわけだから、すべてのノートに共通した5ミリピッチが見えない2や3より1のほうが開きが良いといえるが、その違いはほとんどないと言っていい。

むしろ手間は多いが3の背綴じひも仕込みは安心感があって個人的には好ましい。

恐らくの厚みや本文の大きさ厚みによってその開き具合のバランスというのは変わるだろうから、色々試すには面白いテーマかも知れない…が、


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せっかくなら糸綴じ本を作りたい、かな。


 

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2017/03/07

無線綴じを考える  その6

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和紙で背表紙と表紙を継いで作った表紙は総布装に使った。

残りの三冊のノートは表紙幅が分かっているので和紙は使わず表紙素材で継ぐ。

最初は四半装。 背表紙の位置を印す(上図)。


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布素材を背のスキバルテックスがくるむタイプなので、平部分の布を先に表紙ボールに貼り込む(上図)。

布に2ミリほどオーバーラップさせ、背素材を貼り込む(中・下図)。
こういうときにも定規のストッパーは大活躍(中図)。


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裏に返して幅定規でミゾ幅を確保し、背素材、ミゾ幅、裏表紙と順に張っていく(上図)。

今回は背にクータをつけていないので、背部分はボンドをつけず、ミゾと平のみで本文と連結する。

最初にミゾ部分の接着(中図)。

ミゾ部分に竹ひごをかませ、目玉クリップで押さえつける(下図)。

ミゾが接着できたら見返し糊入れをし、厚手の美術書などでプレスし完成。


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角革装。

表紙ボールに角革の位置を作図し、これに合わせてまん中に入る布の形を切り出す(上・中図)。

この後背と小口の切り返し部分にスキバルテックスを貼り込む(下図)。

あとは四半装と同じ。


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同じように半装も仕上げる。

半装で使用する素材は背と小口がスキバルテックス、平が玉虫色の樹脂が凸でプリントされた紙を使っている。

この樹脂がくせ者で、折り返しをすると樹脂が追従せず剥がれてしまう。

そのため、曲げが必要な部分はあらかじめドライヤーで熱し、樹脂を柔らかくしてから折るようにする(上図)。

また、プレスもそのままプレスすると樹脂がつぶれてしまうため、綿シートを一枚かませせ、折り返し部も普段より多めに吸水紙をはさみ本文を保護する(中・下図)。

そして、一晩おいて完成。


 

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