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2019/08/01

トーハクの夏

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本年度初の真夏日にトーハクへ行く。

目的は「奈良四寺のみほとけ」。 
企画展ではなく、通常展示として室生寺、長谷寺、岡寺、安部文殊院の4寺からの出展。
博物館入り口すぐ左の11室、仏像ルームでの展示。

ふだんから博物館所蔵の仏像だけでなく寺の委託品や出開帳など、意外なほどいい仏さんが展示されているのだが、
今回は特別。 国宝の室生寺の釈迦坐像、十一面観音立像をはじめ重要文化財が目白押し。

いつもはがらんとした部屋なのだが、さすがに結構な人出。
特に外国からの観光客が多い。 アジアからの客だろうか各仏の前で手を合わせているこどもの姿も見受けられた。

一番人気は色絵の板光背が美しい室生寺十一面観音。 平安期の仏像らしい威厳にと慈愛に満ちた素晴らしい一品。
だが、個人的には室生寺釈迦如来坐像に感動。 
写真家・土門拳をして「日本一の美男子のほとけ 」と言わしめた日本人離れしたお顔。そして特徴的な衣文表現「 翻波式」の切れ味の良さ。どれをとっても心が震える仏様だ。

寺に置かれた状態ではどうしても光の具合だとか置かれている位置などによりよく見えない部分もあったりするが、こうした展示では表から裏までかなりの至近距離で拝観することができる。もちろん現地で観る雰囲気も好きなのだが、ディティールはこうした展示に限るだろう。

これは本当に夏休みトーハクからのビッグプレゼントと言えよう。 九月二十三日まで。

 

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国宝室では餓鬼草紙が出品。
昔はこうした絵を夜、揺らめくロウソクの炎のもと悪いことをしたらこうなるよと説教されたのだろうか、本当に恐ろしいイメージだ。 全く何を参考にしたのか描いた人の想像力と画力には敬服するばかり。 

 

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こどもの頃、家にあった美術書にまさにこの図が掲載されており、何度も見ては恐怖を感じていたのをふと思い出した。

 

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19世紀の博物図鑑「博物館魚譜 」。
グロテスクなオコゼ系の描写が素晴らしい。 鱗や模様への執着が素晴らしい。

 

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アイヌの幾何的模様はいつ見ても美しい。

 

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能面あれこれ。 
置いてあるだけでもある種の霊性を感じるが、これを舞台で縁者がつけて動いていたら本当にいのちが宿るのではないかと錯覚するような雰囲気を持っている。

 

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楽家3代道入、4代一入の黒茶碗。 このあたりは素人には何とも善し悪しの区別がつけられない分野だが、実際に緑の抹茶が入った姿を想像するとなるほど見た目にも美しくさぞお茶が美味しく頂けそうではある。

他にも本当にたくさんの美術品・芸術品が目白押し。 
私はあまり興味がないので写真にはないが、どうやら刀剣にも珍しい国宝が出ているようで、最近流行の刀剣女子はじめマニア風の老若男女が目をこらして抜き身を眺めていた。

 

Lotus

 

上野不忍池では蓮が盛りを迎えていた。

青青として大きな蓮の間から覗くピンクの花。 泥の池からスーッと伸びてパッと開く薄ピンクの花。
こんな花の上に仏様が鎮座していると創造した昔の人の感覚は素晴らしいね。

 

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