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2018/03/29

ミニスケッチブック

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ミニスケッチブックを作る。


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手順
新鳥の子紙六折り、本かがり→天・前小口化粧断ち→紙ボール切り→寒冷紗貼り→背表紙貼り→平表紙貼り→見返し全面貼り→表紙くるみ→留めゴムつけ→完成


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作りは本かがりの中味に表紙を貼り付けただけの構造。
背は保護のためおもて・うら表紙を布素材で巻き込んでいるだけ。
背には寒冷紗を巻いてあるだけで表紙の布地は未接着。

スケッチブックなので開きの良さが第一。
いろいろ挟み込んだりすることも考慮してゴム留め仕様とした。


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背は布一枚保護のため覆われているだけなので、スケッチブックののど元は見開きで真っ直ぐひらく。


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手のひらサイズ。 ポケットにもスッポリ。


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以前作ったクロッキー帳と同柄。
ツーショットで記念撮影。


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2018/03/25

丸背ノート 

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薄手の丸背ノート完成。

わずか5折丁なので、とても軽い。
ページ数が多く厚くても少なく薄くてもたいして手間は変わらない。

そのようなこともあってページ数の本かがりの丸背ノートなどというもを市販品でみることはあまりない。

ないものは作る。 手製本の醍醐味。


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表紙はスキバルテックス二種を背と平で切り返している。

スキバルテックスは厚みがあるので、切り返し部分をそのまま重ねると厚みがでてしまう。 そこで平のボール紙にミゾを切ってそこへ重なり部分が落とし込まれるように細工してある。

大量生産ではなかなか手の入れにくい作業だが、紙の厚みの引っかかりがなく触り心地がよい。


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個人的にいつも使っているブルーブラックのインクペンとの相性がよいので、厚手のクラフト紙を使用。

糸綴じなので、無線綴じのようにのど元の「割れ」を気にせず180度開くことが出来る。


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こういうノートはガンガン使ってガンガン作るのが正しい使い方。

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2018/03/19

(久々の)製本倶楽部番外編

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久々の内紗継ぎ製本。


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本日は数ヶ月ぶりにクマ氏登場。
日程があわず休業中ではあるが、それぞれが地道に活動中。


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クマ氏の内紗継ぎ製本の新作。

背には布ではなく、ネパール和紙をを利用。 
美錠抜きで開けた長円から縢り糸が見える趣向のデザイン。


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背には和紙が貼ってあるだけのため開きのストレスはほぼゼロ。

私もちょうどストレスフリーのノートを作りたかったのでいろいろと製法のレクチャーを聴く。


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私は久しぶりに獣臭を部屋中に発散させながら膠を湯煎。


 

 

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2018/03/15

ビーズワックス再生

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とじ糸の毛羽立ちを押さえ、滑り止め、絡み防止に使うビーズワックス。
ビーズワックスに糸をのせ、指で押さえながら糸を引っぱってワックスをこすりつけて使う。 

しばらく使うとこすりつけた糸で表面は切り込みだらけになり、そのまま放っておくとポロポロと崩れてしまうことがある。

ある程度使って表面が痛んだ時はライターであぶって傷を溶かして対応していたのだが、さすがに古くなったのか表面が乾燥・硬化してきて、使い心地が悪くなってきたので再生することにした。

とりあえずはビーズワックスの塊を溶かしやすくするためナイフで削ぐ(写真)。


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型にはゼリーの空き瓶を使用(左写真)。
電気コンロに沸かした湯を入れたボウルに空き瓶を置き、削ったビーズワックスを入れ湯煎する(右写真)。


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普通のロウよりも溶けるのに時間がかかるようだ。 質にムラがあるのか部分的に部分的に澱のようなものが出来るため竹串でよく混ぜる(左写真)。

しばらくすると全体的に液化し、蜂蜜色に変化(右写真)。


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しばらく放置すると黄みがかったクリーム色に変化し効果する(左写真)。
収縮率が高いようでひび割れが出来たため、別に溶かしたワックス液を注入。

完全に硬化したら沸騰した湯にビンを浸し金属ヘラをワックスにさし、ビンの周囲のワックスが溶けたところで引き抜く(右写真)。


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出来上がり。 

表面がしっとりし、使った感じでは新品時と全く変わらないようだ。
用面の茶色い部分は以前使った時に表面に残った糸の繊維くずや汚れと思われる。 特に使用に支障がないので特に削り取ったりはしない。

ビーズワックスの一回の使用量など微々たるもので、ひとかたまりを使い切るにはそれなりの時間がかかる。 また、使い続けることで表面が荒れることは避けられない。 この程度の労力でリビルドできるならば、定期的に手をかけてやりたいと実感。

ちなみに奥にある小さな塊は今回再生に使用したビーズワックスの芯部分。中の方までは劣化していなかったのでそのまま利用。


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2018/03/13

丸背ノート その8

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表紙の裏側の始末。

表紙の裏側は表紙素材を折り込んだ厚みでた凹凸ができる。 このままにしておくとこれが表面に影響するため、凹んだ部分を埋め立てをする。

背の部分は、本文の背幅を測り表紙素材で同じ幅の短冊を切り出す(写真)。


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作った短冊を背部分の凹みの高さに合わせて切りしっかりと貼る(写真)。


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平部分は同じ程度の厚みの地券紙を形に合わせて切り出して貼り込む(写真)。


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本文と表紙をくるむ作業。

背とミゾ部分にボンドをつけ小口のチリが丁度良く出るような位置にあわせ、イチョウ鏝で押し込み固定する(写真)。

両面押し込んだらミゾ付け板に挟んでボンドが完全に乾くまで待つ。


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背とミゾが完全に接着出来たら見返しにボンドをつけ見返し糊付け(上・中図)。

手で体重をかけておさえる(下図)。


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見返し部分に吸湿用の水彩紙を差し入れ(写真)、


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ミゾ付け板に挟んで乾燥。 何度か水彩紙を交換して一晩き完成。


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2018/03/09

丸背ノート その7

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表紙素材の貼り込み作業。

継ぎ表紙の背部分から。 切り込みからミゾまでボンドをつける(上図)。

表紙素材の切り返し部分の切り込みに表紙素材をピッタリ合わせて、切り込みに表紙素材をヘラで押し込む(中・下図)。


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ミゾ部分にボンドをつけ、舟底(ミゾに押し込むための治具)で表紙素材をミゾにしっかり押し込む(上・中図)。

背にボンドをつけ、背を貼り込む(下図)。


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反対側のミゾにボンドをつけ、舟底で表紙素材をミゾにしっかり押し込む(上図)。

残りの平部分へ表紙素材を貼り込み、端を切り込みに押し込んでおく(中図)。

ミゾ付け板に挟んでしっかり接着させる(下図)。


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平部分で表紙素材を継ぐ。

ボンドを平部分の小口の方から先に貼った表紙素材の手前くらいまでつける(上図)。

貼り込む表紙素材の裏面2センチくらいにボンドをつける(中図)。

先に貼った表紙素材が切り欠き部分で落ち込んだ部分にかさなるように継ぐ表紙素材を貼り込む(下図)。

表紙素材が重なる部分はしっかりヘラで押さえておく。


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折り返し部分を15ミリ残して余分をトリミング(上・中図)。

四隅を三角形にトリミング(下図)。


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折り返し部分を接着(写真)。

天地方向は切り返し部分は重なったところが凸凹しないようにヘラで切り欠いたミゾへ押し込んでおく。


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表紙の表側が完成。

つづく。


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2018/03/05

丸背ノート その6

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表紙用の黄ボールの幅はすこし広めに切っているので小口を適正な位置で切り落とす作業。

丸背の場合は丸みだしや耳出しの具合で微妙に本文の幅が違うことがあるので、表紙のベースが出来たところで表・裏表紙のそれぞれに合わせるようにする。

そのため、一度小口を調整したら、表紙と本文の合わせた位置を間違えないように合い印をつけるとよい(上図)。

表紙と本文がずれないようにミゾつけ板に挟んでおく(下図)。


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ミゾつけ板に固定したまま本文の上下二カ所の位置を表紙部分へ記録(上図)。

その位置からチリ分をディバイダーで加える(中図)。

余分を切り落とす(下図)。


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表紙ベースの完成。


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継ぎ表紙仕様にするため表紙素材の切り返し部分に表紙素材の断面が見えないようにミゾをつける。

カッターで軽く切り込みをいれ(上図)、斜めに削ぐ(中図)。

背の表紙の端が斜めに落ち込むような切り込みが入る(下図)。


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断面も表紙素材が重なったところで素材断面が出ないように切り込みをつけておく(写真)。

つづく。


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2018/03/02

芸術の初春

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3月1日。

朝まだ雨が残り、このぶんなら多少人の出足も鈍るのでは…との思惑で上野に出かける。

「仁和寺と御室派のみほとけ展」

葛井寺の千手観音像に圧倒された。

脱活乾漆でつくられた坐像に千を越える木造の手を持つ天平時代の傑作。

本当に千の手を表現してしまった観音菩薩像という点が一般的にクローズアップされるところだろう。 

確かに光背を思わせる同心円状に表現される手の迫力は通常42本の手であらわす省略形の千手観音像に比べ愚直なまでのリアリティがある。 

が、やはりこの像のすばらしさはそのお顔にこそある。 実物を見るのはこれが初めてで、これまで写真でみたかぎり何となく陰鬱な雰囲気があるように思っていた。

しかし、実物はなんとやさしく穏やかなお顔をしていることか。 実際の人間を精神的に高度に昇華させ,具現化するとこうした姿になるのだろう。 これぞ天平彫刻の神髄といえる。

この後、平安になると仏像はだんだんと人間離れしたお顔になっていくのだが、確かに超人的な雰囲気はあるものの私にとってグッと心が引き込まれるような姿ではなくなっていく。

この一点を観るだけでもこの展覧会の価値はある。 出来ればもう一度観たいものだが、11日までだし、ちょっと無理かなあ?


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この展覧会の目玉の一つ「仁和寺観音堂の再現展示」。
ここのみ写真撮影可能。 コンパクトカメラしか持っていなかったので画像が粗くて残念。

仁和寺観音堂の解体修理のため実現した企画だ。
千手観音像を中心に不動明王、降三世明王、風神・雷神、仁王そして二八部衆が周りを守る姿はかなりの迫力だ。


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これらは江戸期の作で、恐らく同じ京都の蓮華王院・三十三間堂のコピーではないかと思われるが、少々稚拙な表現ではある。  三十三間堂の仁王の筋肉は盛り上がっているが、こちらの仁王は筋肉をつけたという感じか。 

ただ、これは信仰の対象なので、像の出来不出来が問題ではないのは当たり前の話。あくまでも彫刻として観た上での個人的な戯言ではある。

このほか仁和寺の像高約12センチの白檀製薬師如来坐像、阿弥陀如来坐像、福井・中山寺馬頭観音坐像など素晴らしい仏像が盛りだくさん。

古文書や仏画、仏具などとにかく作品点数が多い。 ゆっくり観ていたら3時間ほどかかってしまった。  


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昼をはさんで都美館でブリューゲル展を観る。

それにしても、16世紀頃の絵画は名のある親方を中心とした絵画工房で絵が量産されていて、ここ1〜2年で日本に来たブリューゲルにしてもボッシュにしてもクラナーハにしてもアルチンボルトにしても本人の真筆というものがどれほどなのかちょっと疑問になる。 

カラー印刷技術がない頃の話だから、むかしの人は「ちょっと絵でも飾ろうか」と言ったときに流行の絵を工房に頼んで描いてもらうという感じだっんじゃないかな?

金払いのよい乗客には親方自らその実力を存分に発揮して作品を制作しただろうが、そこそこの客にはそれなりにひな形を元にしたコピーを描かせてたのだろう。 

そうしたコピーもどきも親方のビッグネームで扱われてしまうから残念展覧会になってしまう。 格安チケットの価格も暴落気味。

やっぱりね、この頃の作家の作品は画集に載っているクラスの作品が何点来ているかで行く行かないを決めるのが正しいのだと心に誓ったのであった。


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同じ都美館で女子美の卒展をやっていたのでひとまわり。

女子美の高校、短大、大学の合同展。 

高校生の作品がよかった。 作品にじっくりと取り組んでいる作品が多いという印象。

ものを作ることの難しさは、「自分らしさをいかにして出すか」ということにつきる。

しかし、ともすると「他人がやらないことをやる=自分らしさ」になってしまいがち。それが講じて変わったことすることが<自分らしさ>ではないかと思っている作品が大学生の作品には多かったように思える。

その点、高校生の作品には じっくりと時間をかけて続けてきたこと、じっくり熟成させた考えと言った「他人にどう思われるかではなく」自分が何をしてきたかを素直に出しているものが多かったようだ。

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春一番がふく暖かな一日にあわてんぼうの桜がチラホラ花を咲かせていた。


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