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2017/11/27

ミニ和本 その3

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綴じの準備。

糸を通す穴の位置を背から測り取り(上図)、

綴じ穴ラインをヘラで印しておく(下図)。


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今回は四つ目綴じなので、まず天地の穴位置を決める(上図)。

自製均等割ガイドを使って天地に開けた穴を三等分し、全部で4つの穴位置を決める(中図)。

目打ちで穴を開ける(下図)。
いつもは金鎚でたたくのだが、今回は樫の目打ち叩き「樫矢」をつかう。

と言うのも、目打ちの尻が金鎚でたたきすぎてつぶれてきたため。
最も多少つぶれても構わないのだが、確かに樫矢を使うとあたりまえだが全く目打ちの尻がつぶれることはない。しかも打面が広いくラフにたたいても打ちもらさぬうえ、適度な重みがあるので一気に穴が開く。いいことずくめだが、かさばるのが難。


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綴じ作業。

糸端に玉結びをつくる(上図)。

上から数折りめの背から、地(天)の二番目のあなへ抜き(中図)、

糸を背にひと回しして同じ穴へ出す(下図)。


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隣の穴へ糸を通し、同じように背をひと回ししてまた隣へ(上図)。

天(地)の穴では背に回した後天(地)小口をひと回しする(中図)。

これをくり返し元の穴へ戻す(下図)。


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元に戻った糸は一度背に回した糸にくぐらせ、一結びする(上図)。

もう一度最初の穴から2−3折り目あたりへ抜き、余分な糸を切る。(中・下図)。 糸端は背の中に隠しておく。


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表紙の題簽をつくる。

今回は和紙を喰い裂きにして表情のある題簽にする。

切りたい部分を折り、折り目に軽く水をつける(上図)。

開いて水のついたラインを引っぱるようにして裂く(中・下図)。


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題簽を濃いめの正麩糊を薄くのばして貼って完成。

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2017/11/22

芸術の秋…

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大変混んでいると噂の運慶展。
そろそろすくかと様子を見ていたが残り一週間になっても観客が減る気配がないので重い腰を上げて出かけてみる。


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10時半頃の到着で30分待ち。
普段ならこれだけ人が並んでいたら、常設展を観て帰るパターンだが、前売りを持っていたので致し方ない…、運慶だし。


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仏像彫刻は白鳳、天平につきる。
写実とその奥に秘めた精神性は仏像彫刻の頂点といえる。

個人的好みでいうとそれ以外はあまり興味ないのだが、慶派は多少引かれるところがある。

運慶というかお父さんの康慶から始まる慶派は鎌倉時代を代表する一派で、奈良を拠点とする古き良き時代の天平彫刻の中で育った仏師集団。
東大寺や興福寺が南都焼き討ちで失った多くの天平彫刻をそのスピリットを活かした仏像の復興に尽力した。

貴族趣味的な仏像が主流となった平安時代から武家の社会へ変わる鎌倉時代に天平の写実主義を復活させ、数々の素晴らしい作品を残している。

鎌倉以降(運慶やその実子、湛慶・康弁・康勝など以降)はこれと言って観るべき作品が少ないのは仏教と政治、仏教と人の関係がだんだんと形式化していったからだろう。

そういう意味で飛鳥時代日本に入ってきた仏教によって国を治めようと考えた鎮護国家思想が形として現れた天平彫刻を復活させた慶派の果たした役割は大きい。

今回の展示では、円城寺の「大日如来」、康慶の瑞林寺「地蔵菩薩」、興福寺「無著菩薩」などはグッと引き込まれる迫力がある。 仏像ではないが康慶の頂相(開祖・高僧の像)康慶作「法相六祖坐像」や運慶作「重源上人坐像」は傑作揃い。

特に「重源上人坐像」は秘仏で、東大寺でさえ年に二日しか観ることが出来ない作品。 しかも360度ぐるりと観ることができる。 そのリアリティーは天平時代の作で肖像彫刻の傑作と名高い唐招提寺の鑑真和上に劣らないのではないか。 今回は重源上人がじっくり見られたことが一番の収穫。

また、おもしろかったのは「八大童子立像」。
小さい作品だが表情・動きが自然で今にも動きだしそうな雰囲気。
ライティングの関係だろう、玉眼が本物の目のようにつややかに光り、ともすると生きているのではないかと一瞬錯覚をおこしそうだ。

あとは、康弁作「天燈鬼・竜燈鬼」。あのウイットに富んだキャラクターの表現はいつもながら見てもニヤッとしてしまう。

と言うわけで、大変混んでいたものの3時間ほどかけてじっくりとたっぷりと楽しむことが出来た。 


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常設展もひとまわり。
仏像コーナーには京都・大将軍八神社の「男神坐像」が。
神像の出品は珍しい。 一木造というから、恐らく雷に打たれて折れた太い神木を使ったりして作ったものと推察するが、たたずまいや表情など、心に残る神像だ。


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ハートの埴輪。 本当にハート。今も昔も変わらない。

右の刀は「石田正宗」といわれる刀で、石田三成所有の刀だったらしい。
珍しいのはみねの部分に受け傷があること。 

刀と刀の斬り合いでは当然刃こぼれや受け傷が出来るに違いないが、なかなかそうした実戦を感じる作は観ることがない。

そういう意味ではちょっと珍しい刀だ。


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これまた前売りを持っていたので、1時間待ちで怖い絵展も観る。
運慶展は高齢の方が多かったのに比してこちらは若者がほとんど。

私は中野京子氏の「怖い絵」を数冊読んでいたので、あまり展示作品が何かも特に気にせず前売りを手に入れたのだが、正直ここまで混むとは思わなかった(個人の感想)。

それほどキャッチーな絵がある様にも思われないしね(個人の感想)。

どうせならボッシュとかブリューゲルとかルドンとかゴヤとかベックリンとか観たかったんだけど(個人の感想)。

ただ、絵の背景(その絵の由来)を理解しながら絵画を観るという「絵画の鑑賞法」を学ぶ展覧会と考えれば意味はあるだろう。

特に宗教画などは(これは仏像も同じ話だが)絵の善し悪し以前に聖書なら聖書のどういった場面が描かれているかを知っているか知らないかによって見えてくるものが違ってくるから。 革命や事件・事故を題材にした絵画も同様。 

そういえば本の「怖い絵」はそういう本ですものね。

怖い絵の中で紹介された見たい絵がなかったからといって文句を言ってはいけませんね…。




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2017/11/20

ミニ和本 その2

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板締め紙をミニ和本の表紙につかう。


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表紙部分に使う部分をトリミングする。

自家製板締め紙のためパターンにばらつきがあるので、本文に合わせたトリミングシートを切り出し(上・中図)、使用部分をトリミングする(下図)。


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切り出した表紙(写真)。


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本文の表紙の中央付近に二カ所(オレンジ色で示したあたり)濃いめの正麩糊をつけ、表紙を仮止めする(上・中図)。

二カ所つけるのは表紙が本文に対してずれないようにするため。


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表紙の角を本文の角から2ミリほど残して切り落とし、各辺本文より1ミリ弱大きめになるように筋入れし、内側へ折り込む(上・中図)。

背→天地→前小口の順に折り返し、縢りにうつる(下図)。

つづく


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