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2017/02/27

無線綴じを考える  その5

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背に寒冷紗を貼る。


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背表紙用のボール紙を切り出すためのサイズ出し。
今回ボール紙の厚さは1ミリ厚なので、表紙ボールの天地は本文+3ミリ、幅はとりあえず本文幅と同じサイズで切っておく。

とにかく直定規に組み合わせるストッパーは便利。 
私は30センチ15センチの直定規に二つずつ利用しているが、老眼の身としてはメモリを見る回数が減るのでとにかく助かる(上図)。

背表紙のサイズ出し(下図)。

本文の厚さに二枚分の表紙ボールを加えた幅が背幅になる。


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これにはノギス付属のデプスメーターが活躍(上図)。

ノギスの挟む部分で幅を測ると、測った分だけ定規部分の後端から細金属棒が飛び出してくる仕組み。 本来は凹んだ部分にこの金属棒を合わせ、メモリで深さを読むための機能だが、当然挟んで測る部分と結果は一致する。 よって、幅を測り、そのサイズをデプスメーターで直接写し取ることで、これまたメモリを読まずに正確なサイズをうつすことが出来る<老眼御用達機能>(中・下図)。


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背表紙の幅を出す。

薄手の和紙の中程に背表紙を貼る(上図)。

その両側に今回はミゾ分として6ミリの幅定規を置き、直定規と三角定規で直角にそろえる(中図)。

幅定規の外側に表紙を貼る(下図)。


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出来あがった表紙のユニットから幅定規をはずし、和紙の余分を切り落とす(上図)。

本文に和紙で連結した表紙でくるむ(中図)。

ずれないように表紙ボールを開くとミゾ幅がある分 前小口側のチリが大きく出ているのがわかる(下図)。


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本文の前小口にピッタリ合わせて目打ちで印を天地につける(上図)。

印からチリ分1.5ミリをディバイダーで測り、表紙の前小口側の余分を切り落とす(下図)。

他のノートはサイズがすべて同じなので、この方法で出した表紙幅を踏襲する。

つづく。


 

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2017/02/23

無線綴じを考える  その4

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昨日新宿に行った際、花園神社に寄ってみると梅の花が咲き始めていた。
春は近い?


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ボンドで背固めした無線綴じ。 やはりボンドの薄い塗膜では耐久性がないので、さらに厚いホットメルトの層をを作る。

熱したホットメルトが本文を汚さないように黄ボールにクッキングシートを巻き、それに本文を挟む(上・中図)。

ホットメルトの層は今回1ミリとする。そこでクッキングシートでくるんだ黄ボールに挟んだ本文の背に1ミリ厚の細切りボール紙でホットメルトシートのスペースを確保(下図)。


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背を上にして手機械ではさむ(上図)。

1ミリ下げた背部分に背幅で切ったホットメルトシートを挟み込む(中図)。

熱せられたホットメルトが天地の小口を汚さないようにそれぞれ4ミリ程度あけておく(下図)。


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背にクッキングシートでカバーをし、アイロンで背の中心から天地小口方向へしっかりとホットメルトを溶かしていく(上図)。

はみ出たホットメルトは引っぱると簡単にとることができる(中図)。

切り込み部分を含め背がホットメルトで埋められている(下図)。


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上の図がボンド(水色)のみで背固めされた状態。 接着層が薄いため、ページを引っぱったり開閉を繰り返すと背割れを起こす。

下の図はボンドの接着層(水色)の上からホットメルトの層(黄色)を追加した状態。 ボンドの接着層を厚く柔軟性のあるホットメルト層がカバーすることで背割れのリスクを低下させる。

ただし、背が厚くなるぶん開きは若干悪くなる。

つづく

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2017/02/20

無線綴じを考える  その3

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上の写真がこのテーマで再三言及した「バラバラに背割れする昔の無線綴じ」だ。  

見づらいがとても浅い切り込みが入っているだけ。 接着剤の種類は分からないが、色やその雰囲気は劣化したゴム系ボンドのようにも見える。

とにかく、接着剤の経年劣化が激しく、柔軟性がなく「開けば割れる」といった雰囲気だ。


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今回、無線綴じを作るにあたり、3種類の方法を試すことにした。
図の1番目は紙の平方向から見た状態。 
2番目の図は天面から見た状態。
3番目はノートを開いたときのイメージ図。
(同じ数字は三つの図すべて同様に対応)

1は背に切り込みを入れないタイプ。かつての無線綴じに近いイメージ。
この場合紙の背の断面のみで接着するため綴じる力が弱いと考えられる。
(今回は作っていない)

2・3・4 は5ミリ間隔で0.5ミリ程度の深さ切り込みを入れている。

2は切り込みを入れたままボンドで背固めをしている。

3 は切り込みのうち5カ所深めに切り込みを入れ、そこに背綴じひもを仕込んでいる。

4 は接着剤で背固めする際、紙束をたわませることで一枚一枚の紙の内側に接着剤が入り込むように接着している。(言葉ではわかりにくいので前々回の写真で確認)


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1は今回作っていないが付箋のブロックなどはこのタイプだろう。
一枚一枚の紙の背部分でのみ接着されているため、のど元まで良く開く。
だが、接着剤の性能が低い場合簡単に壊れてしまう。


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ここからは写真が二枚ずつ並ぶが、下の写真はどれも強引に開いた状態を示す。
2のタイプ。切り込みのみのノート。 軽く開く程度ではノドものと切り込みは見えない。 強く開くと切り込みが確認出来る。


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3のタイプ。ひもを仕込んだもの。 軽く開く程度は2と同様。
強く開くと切り込みが確認出来る。 2よりも切り込みが目立つのはボンドの入り方が若干少なかったためか。
ただ、ひもが仕込まれているためその部分で個々の紙は連結されているようだ。


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4のタイプ。紙をたわませ一枚一枚の紙がそれぞれ接着(恐らく0.5ミリ程度)されているもの。 ボンドのみの無線綴じならばこの方法がベストだろう。

若干他のタイプより強く開いているのだが、幅が少ないながらそれぞれの紙が接着されているため壊れにくいようだ。 また平部分に接着面が出来るため開きが悪くなるかと思ったが、他に比べてそれほど差があるように思えなかった。

強引に開くと紙と紙の接着面が剥がれて壊れていく感じ。

どれも無理矢理開かなければそこそこ使えるだろうが、やはりボンドのみで接着というのでは接着面が薄すぎて頼りない。 そこで接着面を保護し、背全体の柔軟性を確保するホットメルトシートの出番が登場するわけだ。

 

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2017/02/16

無線綴じを考える  その2

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無線綴じのキモ、ホットメルトシートの準備。
昔の無線綴じが壊れてしまう原因は「綴じ」に使っていた糊が経年劣化で柔軟性が失われることによる。

今の無線綴じは熱によって可塑が可能になるホットメルト(エチレン酢酸ビニル=EVA)を使っているようだ。この素材は柔軟性が高いため本の開閉による疲労が少なそうだが、何年程度耐久性があるのかは分からないが、少なくても過去の無線綴じよりは信頼性は高いように思える。


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シート製作の前にそれぞれのノートに見返しづけ。
特に凝ったものでもないのでのど元5ミリほどで接着する貼り見返し。


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背綴じひもを仕込んだノートは、背とじ糸を15ミリほどに切りそろえ、自製フィセル(背綴じひも)ほぐしでバラバラにひもをほぐし、見返しに貼り付ける(写真)。


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ホットメルトシートの製作。
ホットメルトシートは市販されているし、グルーガンでも代用できるのであくまでも話のネタ程度の作業。

合板の上にクッキングシートを引き、1ミリ厚のアルミ平板にクッキングシートを巻いたものを二本作り、適度な間隔を平行に置く(上図)。

市販のグルーガン用のホットメルト棒を2-3本アルミ平板の間において、上からクッキングシートをかけてアイロンで溶かし広げる(中図)。

あら熱が取れるまでそのまま放置する(下図)。
アルミは熱伝導が良いためアイロンをかけたあとは大変厚くなるので注意。


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冷えたら出来上がり約1ミリ厚のホットメルトシートの出来上がり(上図)。

これを必要な幅ずつ切り出し使用する。

もの作りとは、こうした余計な手間が面白いわけですな。

つづく。


 

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2017/02/13

無線綴じを考える  その1

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日本の本はかなり高額な新刊本も無線綴じであることが多い。

昔の無線綴じというと開きすぎや経年劣化により<背割れ=バラバラ>ということがあり、反射的に拒否反応がある。

しかし、最近は糊の性能が上がったこともあり、開き・耐久性ともに各段にレベルアップしているため簡単に壊れることはない。 ゆえに無線綴じで何が悪い!ということなのだが、のど元を開いてあじろ綴じの凸凹がみえるとなんだかなんだか寂しくなる。

その点、洋書はハードカバーの場合 今でも糸綴じのものが多い。
簡易版のペーパーバックの無線綴じと棲み分けがあるようだ。

理由は定かではないが西欧の場合本はアンカット本(大きな紙に、たとえば16ページ分を割り付けそれを折りたたんだ状態で小口にでる袋になった部分を切り落としていない本)を購入し、買った人が気に入った装幀をして仕上げる、という習慣(本に対する思いの違い)が関係しているのかも知れない。 

機械綴じとはいえ、ツーッ、ツーッと糸がのど元に通っているのを見ると気分がよくなったりする。

私自身のことで言えば手製本=糸綴じと思い込んでいるため、自分で作る本に無線綴じを積極利用しようと考えたことはない。

その理由として、糸綴じで作られた本は開きが良いこと、糸で折丁を連結するため構造的に強いこと、そして壊れた際修復が比較的容易なことがあげられる。

一方無線綴じは手作業で作る場合それほど簡単ではない。また、巧く作らないと紙抜けなどでバラバラになるリスクがある。

つまりどうせ手間をかけるならばメリットが多い方が良いわけであえて無線綴じを選ぶ必要性がなかったというわけだ。

が、自家製無線綴じにどの程度の可能性があるかを知らずに否定するのもフェアではないので今回改めて自分なりの無線綴じを考えてみることとした。


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プロトタイプだから、中味はコピー紙でA6サイズ40ページ。
本来は折丁を断裁するのだが、A4サイズを1/4に切り出して使用する(上図)。

前後を若干短めに切ったボール紙で挟む(下図)。


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ボール紙で挟んだ束はクラフト紙しっかり巻いて小口を突きそろえる(上図)。

ノコ刃で5ミリ程度間隔を開けて切り込みを入れる(中・下図)。

これは出来るだけ糊の入る面積を増やすため。


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四冊作る二冊は樹脂分の多いボンドを塗りつける仕様(写真)。
しっかりとミゾにボンドが入り込むようにヘラでなすりつける。


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次はボンドを塗る際、束を巻くようにして切り込みのある小口を斜めにし、0.5ミリほどそれぞれのページが接着する仕様(上図)。

ボンドをつけたら素早く小口を指でつまんで平らにしないと歪むので注意(下図)。

これは背だけでなく一枚一枚が0.5ミリとはいえ面で接着されるのでいくらか強くなる予定。


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最後の一冊はのこぎりで入れた切り込みのうち5カ所をさらに深く切り込みそこへ麻ひもを埋め込む仕様(写真)。

埋め込んだひもの上からボンドを塗りつけるため、仮に背のボンドが外れてもひものところで各ページが連結されているのでバラバラ防止になる予定。

さて、どうなることやら。

つづく。

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2017/02/11

丸背ノート 四半装 完成

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丸背四半装ノート完成。

太めの糸で織られた厚手の綿布の手触りが気持ちいい。


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これで4冊作った中味の残り2冊が完成。
小口角に三角形の革があしらわれる「角革装」よりも個人的にはこの四半装のほうが見た目がスタイリッシュで好みだ。

元々総革で表装されていた本のコストを下げるため、部分的に別素材を組み合わせたのが<半装(背と前小口のそれぞれ1/4程度ずつ革を使う)><角革装(背と小口側の天地角へ三角形の革をあてがう)><四半装(背部分のみに革を使う)と呼ばれる継ぎ表紙の装幀。

が、そうした実用的なことは考えずデザインのバリエーションとして考えると、素材の切り返しという手法は表現の幅が広がって面白い。


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花布もただ市販の花布を切って張るのでは無く、数折に一カ所ずつ綴じつけるだけで表情がでるのでオススメ。


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自由に紙を選んで贅沢にどんどん使い倒したい。


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飛び飛びで作業をしながらの4冊完成。
作るたびに新しい問題が見つかったり解決があったり。
さて、次は何を作ろうか。


 

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2017/02/05

リングノートの改装(プロトモデル)

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リングノートの改装。 お題は無印良品のA6ノート。


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リングノートは<開きのよさ>を追求した機能主義的美しさがある。 
だが、剥き出しの構造ゆえの味気なさを感じることもある。

そこで、クロッキー帳の改装に引き続き、一般的なリングノートの改装に着手。 クロッキー帳との違いやリングノートの改装の問題点を考えてみた。


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リングをはずさない上での限界は見返し部分の扱いだろう。
表紙の折り返しと見返しがリング穴の手前で切れてしまう。そのため、オリジナルの黒ボールが見えてしまう(下図)。

ここの完成度を上げるにはリングはずし、付け直しの必要があるため、難易度は高くなってしまう。 


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最大の問題は開いたときの背の出来る隙間。
特にクロッキー帳に比べリングの露出が多いため、接着できない幅が広くなり、これがノートを開ききったときにだらしなくふくらんでしまう。

同じリング構造でもクロッキー帳との作りの違いが明確にでるのがこの部分だ。


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前回のブログでも書いたが、クロッキー帳の表紙は折って曲げ伸ばすことが出来るクラフトボールの表紙が本文をくるむ構造になっている。 そして、表紙を含む本文の厚さ=背幅程度リングが露出している(上図)。

一方一般的なリングノートは表表紙と裏表紙は別パーツとして本文を挟む形式のため、リングは表のリング穴から裏のリング穴まで露出する(下図)。


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そのため、クロッキー帳では接着できないリング部分は背幅のみになるので、開いたときの隙間はさほど気にならない(上図)。

一方一般的なリングノートではリング穴からリング穴までの接着できない部分の幅が大きいため、開いたときの隙間はかなり大きくなってしまう(下図)。

これを解決するにはたとえば背部分を幅広のゴムのような伸び縮みする素材にしてはどうか?とか、一端リングをはずして背部分だけでもクロッキー帳のようにくるむようにしてはどうか?などとかんがえるも今のところ具体的な名案は浮かばず。


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とはいえ、今回作ったノートも使用することには特に問題ないので、じっくりとアイディアでも書き込んで答えを出すことにしよう。


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2017/02/02

リングノートの改装(プロトモデル) その3

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表紙裏の表紙素材の折り返しで出来た段差を地券紙で埋め立てる(写真)。

地券紙の埋め立てはリング穴の手前まで。


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マーブリング模様の表紙に古地図の包装紙を見返しに使ってレトロスタイルに(写真)。


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ハトメでのゴム留め仕様(写真)。


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完成!


 

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