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2014/05/20

早稲田青空古書掘り出し市

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散歩がてら自転車にて学生の街 早稲田へ「早稲田青空古書掘り出し市」へ出かける。

早稲田大学のシンボル大隈講堂を臨む「早稲田南門通り」の商店街に立ち並ぶ電柱には近隣の寺による合格祈願ののぼりやら、早稲田生限定のバイト案内ののぼりやらがはためき、一種独特の雰囲気。


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早稲田大学のお膝元ということもあり、高田馬場駅から早稲田あたりには数多くの古書店があり、神田神保町までとはいかないまでもちょっとした古書街の雰囲気を呈している。

すぐ近くにある「穴八幡神社」で秋に行われる「早稲田青空古本祭」には出かけたことがあるのだが、早稲田大学構内で開催されるこちらの古本市は初めて。

果たして怪しいおじさんが入っていけるような雰囲気なのか少々不安を抱きつつ会場へ向かったが、一体全体どこが門なのかもわからず大学の敷地と公道の境目もはっきりしない非常にオープンなキャンパスで、無用な心配だった。


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大型のテント下に書架が設けられた展示スタイルは穴八幡神社の古書祭りと同じ。

キャンパス内ということもあり、若い人がとても多いが、本の虫系の歳を召した方もしっかりおられた。

今回の市では芸術系・アート系・(趣味の)仏像系の本が少なく、狩りとしては不調だったが、やはり本の背を眺め倒すというのは楽しいものだ。


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そんな中、最近特に増えたちょっと迷惑に思える人がここにもいた。それは携帯片手に古書価を調べながら選ぶ人。

個人の転売屋さんのいわゆる IT「せどり」行為と思われる。

この人たちが一つの棚に陣取ると、片っ端から書名や ISBN コードを打ち込みアマゾンだろうか古書価格とつきあわせて本を選んでいく。

中にはバーコードリーダ持参でスーパーのレジで見るような赤いレーザーを出す器具をつかって検索する猛者も居る。

全く人の目などお構いなしに。後ろに人が来ても体を寄せる気配もない。どんと書架のまん中に体を据えたまま自らの仕事が終わるまで動くことがない。

利ざやが大きそうなものを選ぶわけだから時間をかけて一つの場所に陣取っても実際手に取る本は2-3冊と多くない。その2-3冊をとなりの展示棚に置き(他の人はその下の本が見ることが出来ない!)また片っ端から検索が始まる。

人それぞれの生き方に文句をつけるつもりはないが、みんなが楽しむ場では、他の人のことも考えながら行動して欲しい。

自分勝手な行動は結局回り回って自分の不利益にもつながるのだから。


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帰りにふと横の建物をみると「會津八一記念博物館」と書いた垂れ幕のある建物が。

みると荒川 修作の展示がやっている。なんと入場無料。


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中に入ると一階では二つの展示がやっていた。

まず、茶の道具を観る。

富岡重憲コレクションからの展示ということだが、、門外漢なのでよく分からない。

ただ、小さな部屋だが香合に茶入れ、茶杓に茶碗となかなかのボリューム。国宝・重要文化財級ではないとはいえ、唐物もの・高麗もの・和ものの茶碗のよさそうなものが数多く展示されている。

特によかったのは、長次郎の茶碗。黒楽茶碗の実物を初めて見たが「てびねり」とは思えない均整のとれた造形、独特のつや消しの表情は写真で見る雰囲気(写真で見たのは長次郎のものでも銘は違うが)とは随分感じがちがった。思っていたよりもかなり小ぶりで確かに両手に持って茶を喫すると良さそうな感じだ。

博物館というよりも展示スペースといった方がしっくり来るコンパクトさの割にとても充実した空間なのは作品と見学者の間隔が近いことにあるのだろう。作品が近いので臨場感が高いのだ。

思わぬ出会いは、茶の道具の一端ではないのだが、作家の志賀直哉が谷崎潤一郎から譲り受け、その後一時行方不明になっていたという平安時代の菩薩立像。2011年、65年ぶりに発見された像が部屋の隅にぽつんとなんの囲いもなく置いてあった。 

多少雨などに晒されたのだろうか、表情に風化の後も観られるが、これにより逆に強調された木目をみると、像の中心から左右対称に密に通っており、贅沢な木取りがされているのが分かる。

舟型光背も表面の塗料がはく離しているものの、光背の左右中程に手らしき描写が観られた。 1000年以上前の作品に触れんばかりに近づいて観ることが出来るチャンスなど滅多にない。ありがたく観させてもらった。


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もう一つの展示は荒川修作展。

日本を代表する現代美術家で、幾何図形や文字、記号をモチーフとした図形絵画を描く。抽象の典型である図形や文字のから再構成される新しいイメージの出現に数十年前デザインの勉強をしている頃出会い衝撃を受けた作家の一人。

電車のダイヤグラムを思わせる様な密な線を擁した、往時刺激を受けた作品はなかったが久々に荒川節を間近に観ることが出来、大変懐かしく思えた。

帰りは新宿まで足を伸ばし、コンピューター用品を購入後帰宅。

早稲田青空古本掘り出し市
期間 2014/05/19~2014/05/24
場所 早稲田大学大隈重信銅像奥特設会場
時間:10時~19時(最終日は17時)




 

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