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2011/05/15

叩きもの hammer 槌 鎚 トンカチ 玄翁

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今回はトンカチについて。一般にはだいたいトンカチ
の名で通る叩きものだが、実は用途によって様々な材
質、大きさ、形状がある。 

ここで紹介するものは普段家の中でものを作るときに
よく利用する叩きものたちで、本作りに利用可能なも
のを中心に紹介。



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一番上はネイルハンマーと呼ばれる様式ハンマー。
叩く部分の後ろが釘抜きになっている。

二番目、三番目は玄翁(玄能=げんのう)。玄翁と
いう和尚さんが昔「殺生石」を金槌で破壊したこと
からこの名がついたらしい。  二番目の断面が八角
のものは八角玄翁といい、平らな側面でも叩くこと
ができる。 製本では断面が○よりもこちらが使い
やすい。 専門店に行くと重さが色々あるので、あ
まり重くないものを選ぶとよい。 製本では力一杯
叩く必然性がそれほどないので。

四番目、五番目は先切り金槌。頭部の一端が尖った
形状っている。 四番目は先切り金槌の小型のもの
で、建具屋さんが使うもの。 もう少し頭が寸詰ま
りになった彫金用のおたふく鎚も同じ系統。
玄翁よりも小型で、振り回しが楽なので折丁を叩い
たり目打ちを打ち込み、ポンチの打ち込みに使う。

五番目はタイル鎚。タイル職人がタイルを貼るのに
使ったり、タイルを部分的にはつるのに使う。
エッジが出ているため、かがり台で本かがりをする
とき、折丁の背綴じ紐の際を叩くのに便利だ。
ただ、エッジが立ちすぎで、少し叩く角度がずれる
と痕になるので、少しだけヤスリで角をとって使用
している。



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金槌三兄弟。 とにかく小さめがよい。



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こちらは丸背本を作る際に使用する金槌。

上が筋玄翁。叩く面に筋が切られており、丸みを出
した折丁の耳を出すときにこの筋でゴリゴリっと崩
しながら叩くのに使う。反対面は背がためのときに
表面を均すのに使う。 製本専用道具だが、重いの
が玉に瑕。個人的には半分とは言わずとも2/3程度
の大きさ充分だと思のだが。

下は製本倶楽部K氏がジョイフル本田で発掘してき
た足場用ハンマー。丸みだしに使う。筋玄翁はじめ
他の金槌でも丸み出しは出来るがたたける面積が狭
く今ひとつ使いづらい。

有る程度、平面の幅があり、その幅に均一に力がか
かるような重さのある方が丸みをきれいに出すには
有利なのだ。 フランスの製本用ハンマーがまさに
そうした特徴を持っているのだが、手に入れにくい。

その代わりがこの足場用ハンマーだ。トントントン
と、対象の面へ平均に力がかかりとても使いやすい。
女性には少々重いかもしれないが、おすすめだ。



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こちらは木槌系。 ちなみに金属のつちは「鎚」、
木のつちは「槌」。

上は文字通り木槌。折丁を均すのに叩いたり、表紙
素材の折り返し部分のふくらみを叩くのに使う。
叩く面が緩く湾曲しているため、対象物に木槌のエ
ッジ疵がつきにくい。

下は樫矢(かしや)。目打ちを叩くのに使う。
面が広いので打ち損じが少く、重さがあるのでしっ
かりと打ち込める。 が、金槌でも充分*なので、あ
まり使うことはない。





金槌でも充分* = 叩きもので怖いのはやはり釘や目打ちを叩かず、手を叩いてしまうことだろう。とくに小さい金槌で小さい対象物を叩くときは「ずれ」の許容範囲が少ない。怖いと思ったら面倒がらずに専用の道具を使うべきだろう。 ちなみにうまく叩くコツは決して叩く場所から目を離さないこと。凝視している場所が叩くポイントになるのだ。 手に当たらないかと、手を見ているとかえって手に金槌が向かうことになる。 金槌の動きを目で追うのも現金だ。 




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