2021/03/12

Longspine snipefish サギフエ

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トゲウオ目ヨウジウオ亜目サギフエ科サギフエ属・サギフエ。

魚の名前のつけかたには大きく分けて二種類あります。一つはその姿形や特長を直接的に言語化するタイプ。
これはたとえば<鯛>はもともと「平たい」の「たい」が、<鰺>はその「味」が良いことから「あじ」が名前としてあてられたといわれています。
そしてもう一つはその姿形や特長を別のなにかに喩える…いわゆる「見立て」でつけられるタイプの名前。
美しさを「山の女」に喩えた<ヤマメ(山女魚)>やヒゲを生やしたおじさんそっくりな<オジサン>等々。

魚に限らず語源をたどると色々と面白いのですが、命名に関しては後者のなにかに見立てるに何となく魅力を感じます。

<サギフエ>もその長く伸びた口吻を「鷺」のくちばしに、さらにその形を笛になぞらえるという二重の見立てが効いた名前の魚です。

 

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この魚は水深15〜150メートルに生息し、主に昼は浅場、夜は深場へと上下動しながら暮らしているようです。
長く伸びた口吻で小さなプランクトンを食べているそう。

ヘコアユなどと同じヨウジウオの仲間なので、海底では逆立ちするようにして生活しています。
もちろん遠くへ行く場合は水平にも泳げます。

 

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素材はゼブラウッド。 目には真鍮パイプをはめ込んでいます。

 

 

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2020/09/04

Lanternfish ハダカイワシ

 

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ハダカイワシ目ハダカイワシ科・ハダカイワシ。 

種にもよりますが、3センチから20センチほどの大きさで多くは10センチ以下と言われています。

鱗がはがれやすく、アミなどにかかっても鱗が残らず皮膚が露出した状態になってしまうためこのような名前がつきました。
一方英名 Lanternfish も名の通り、体側から体下面に点在する発光器により光る姿に由来します。

 

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深海に住む魚には暗い故発光器を持つものが多いのですが、この魚の場合体の下面に集中して発光器がいますが、これは下からこの魚を狙う捕食者が海面を背景に見た場合(海面が明るいため)この部分が光ることで目立ちにくくなるということが理由として挙げられています。

迷彩でいうところの「カウンターシェーディング」の一種らしいのですが、マグロやサンマなどのように背が暗く腹側が明るい魚
のように、もっと海面に近い泳層に生活する魚ならばともかく、時には深海1000メートルにも達する泳層では全く光が届かない場所で光を出すというのは逆にリスクになるのでは…などと思ってみたりします。

 

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それはともかく、この発光器が点々とついていたり、イワシ独特のちょっと間の抜けた顔がなかなかに可愛かったりします。

 

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本体の素材は黒檀。 台座は流木。 目は真鍮パイプ、発光器はアルミ棒の象眼。

 

 

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2020/08/24

Scalloped Ribbonfish フリソデウオ

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最近は製本を少々お休みして木っ端で魚を作っています。
コロナ禍でステイホーム期間にコプト製本で使っていた木ぎれで糸ノコ盤のスキルを上げるために始めたのが結構面白い。
もともと魚が好きで図鑑も何冊かあるのでネタには困らないし、ネットで調べると面白い心躍る動画がいくらでも見つかる。

特に最近のお気に入りが深海生物。 極限の環境に適応したいわばそれぞれワンオフの形状をみせる彼らは魅力にあふれている。

木の場合塗装しないことを前提に制作すると、どうしても色みの限界があるわけですが、この辺は色々と試行錯誤しながら何らかの答えを見つけられればと思っています。

 

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すでにいくつかあるのですが、最近作「フリソデウオ」から。 
英語名 Scalloped Ribbonfish のScallopはホタテ貝のこと。どうやらホタテ貝の貝がらのなみなみの形状なのか、貝ひものなみなみなのかどちらかは不明なのだけれども、そうしたなみなみのヒレに起因した名称らしい。 なみなみのヒレを持つリボン状の魚というような感じか?

長く伸びたヒレがまるで振り袖のようという日本名のほうが見立てとしては綺麗かな?
深海魚は同じ名前でも写真によって随分形状が違うので、あまり細かいことは気にせずイメージ重視で作る方が愛らしいカタチになっていくようです。

本体はシナの木、目は真鍮、体の模様は黒檀の象眼。 ヒレは真鍮線で、ヒレの先は真鍮線を曲げてカタチを閉じ、閉じたカタチを半田で埋めて削りだしています。

台は西伊豆で採集した流木。

 

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マンボウに似た深海魚「赤マンボウ」の仲間で、お友達にはリュウグウノツカイなんてのもいます。

フリソデウオはあと二匹作りかけがスタンバイしています。

 

 

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